にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
にほんブログ村

本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇中学部活動の地域移行に向けて

 運動部活動の在り方を検討するスポーツ庁有識者会議(座長・友添秀則日本学校体育研究連合会長)は、公立中学での休日の指導を地域のスポーツクラブや民間事業者に委ねる「地域移行」を令和7年度末までに実現すべきだとする提言を室伏広治スポーツ庁長官に提出(6月6日)した。

 提言を受け取った室伏長官は、同日の記者会見で「社会の状況が変わり、少子化や教員の働き方から見ても改革をする必要なタイミング」と述べ、地域移行を推進するための財源確保に向け国としてあらゆる財源を検討すると語ったのだそうだ。

 少子化による部員減少や教員の長時間労働の解消が求められ、学校単位での運営が困難になっている現状を考慮すれば地域移行を早期に実現させなければならない。提言では令和5年度からの3年間を「改革集中期間」と位置付け、全ての都道府県に移行プランやスケジュールを定めた推進計画の作成を求め、山間部や離島を除いて7年度末を目標に移行を達成するとしている。休日の地域移行がおおむね達成されたら平日の移行を進めることも想定している。

 現職中、部活動を地域の協力者とともに運営するため部ごとに組織(振興委員会)を立ち上げようと過去のブログ「地域の協力者ととも」に記した内容の文書を地域全戸に配布したことがあった。地元新聞でも紹介され話題にはなったが、実現には至らなかった。地域の指導者として実績もあり人間的にも素晴しいと評価されている方の同意まで得ていたが、部の顧問が難色を示したのである。思うままにできなくなることを嫌ったのだった。

 現職教育で部活指導の在り方を取り上げたことは一度もなかったが、必要なことである。教職員の行き過ぎた指導を防止し、健全な活動を学校の方針(理念)の下に行うために研修は重要である。地域移行が軌道に乗るまでには相当に年数もかかるだろう。是非とも成功させたいものである。  (2022.7.1)


 ※文化部活動については、文化庁有識者会議が地域移行を検討しており、7月に提言をまとめる予定になっている。