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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇有用な組織ではなかった

 本年度から定年が61歳になるので、年度末(60歳)で退職する人はほとんどいないだろう。共済年金の支給は64歳(老齢基礎年金「国民年金」はすでに65歳になっている)からになっているので当然のことかもしれない。教員不足が深刻な状況だが、来年度はいくらか緩和されるだろう。

 定年延長とともに行われるのが役職定年制である。今まで問題だと何度か述べてきたが、校長会も教頭会も声を上げていないようだ。情けないの一語に尽きる。例えば60歳で教頭、62歳で校長に登用することがあっていい。管理職手当は今まで通りの支給をし給与は7割程度だっていい。校長会も教頭会も全国組織にまで大きくしたが必要はなかったようだ。今まで何をしていたのだろう。

 講師経験のある大学の後輩たちが何人も警察官や役所の職員になっているが、こちらの方がはるかにいい、もう教員にはならないと話している。煩雑で多忙な現場を知ればそうなるのかもしれない。定年延長で管理職が5年間も一般教員でしか残れない状況に教職の明るい未来が描けるのだろうか。

 

 教員志望者が減り教員不足になっているのは、教育に関わる問題を放置し改善しなかった結果である。

 1日1~2時間の空き時間しかない多くの教員には、教材研究や授業準備のための時間確保も難しい。そして、校務分掌をいくつも担当し、時間外には部活動の指導もある。休日の指導を地域のスポーツクラブなどに委ねる地域移行を進めたり、給与の調整額を引き上げるなどの待遇改善を図っても、そんなことで状況が大きく変わるとは思えない。

 出張や休暇などで学校に来られない教員がいても、その穴埋めができない。空き時間になっている同教科の教員がいなければ授業を進められないし、教員の人数に余裕がないので他教科に変更することもできない。したがって、来られない教員の授業はその教員が事前に用意したプリントなどを他の教員が補教という形で実施することになる。穴埋めができるようになれば、学校に行かなければ同僚や生徒に迷惑がかかるとの思いを少しは和らげることができるだろう。  (2023.6.30)