教育活動を学校、保護者、地域が一体となって進めていければと考えていても簡単にはいかない。学校の考えやこれからどう進もうとしているのかを保護者ならPTAの会合や学年部会などで直接話を聞いたり、配布された文書でそれを知ることができるが、地域住民の多くはそれができない。
そこで、地域に知らせたい内容を文書にして配布することにした。足利北中学校は約5000戸だったが、公民館や自治会の協力で滞りなく配布することができた。「子どもを非行にする10カ条」、「不登校の理解を深めるために」、「子どもを育てるための提言」、「北中建言」など配布は10回程だった。民生委員会や地域の会合での反応にこの方法はいいと確信した。
現職最後の西中学校は7000戸だったが同様のことをした。過去のブログで書いたことだが、「部活動の留意事項」、「国旗の全教室掲揚」、「携帯電話の調査結果」、「校訓〔強く正しく美しく〕の設定」、「日本人として〔調査〕」、「学校経営方針」などだった。部活動の留意事項では、みんなに読んでもらいたい、一生捨てないといった声が届くなど配布してよかったと感じた。
学校経営方針についてはよく分からなかったようで、読むのではなく見る資料との文言を入れればよかったと反省した。国旗の教室掲揚は、地元新聞で報道されたこともありかなりの反響があったが混乱はなかった。
赴任した当初、どうしてこの学校には苦情の電話が多いのだろうと感じたが、学校の考えや様子が知られるにつれそういうこともなくなった。地域の協力を得るなら学校を知らせる取り組みも必要だろう。 (2020.5.21)