軽率な行動をして政界を去った国会議員は少なくないが、週刊誌(10日発売、週刊ポスト)で取り上げられた吉川赳衆院議員もやがてそうなるだろう。18歳の女子学生に飲酒させたこと、4万円を渡してのパパ活疑惑、そして、不倫も加わることになるので法的にも倫理的にも問題になるのは当然である。
自民党を離党しても辞職はせず、説明も謝罪もないまま雲隠れの状態では、報道が下火になることもない。まして30日には約290万円の議員ボーナスが支給されるとなれば多くの国民が腹立たしく思うだろう。
国会議員を志すからには大望があったのだろうと思うが、いつの間にか忘れてしまったのだろうか。それとも単に欲望に負けただけなのだろうか。地元で応援していた方など、多くの人が裏切られた気持ちだろう。
重宝(じゆうほう)を懐(いだ)く者は夜行せず、大功(たいこう)に任ずる者は敵を軽んぜずとのたとえ(貴重な宝物を懐に入れている者は夜道を歩くような危険なまねはしない。大望を抱く者はその身を大切にして軽率な行動をしてはいけない。)は吉川議員に活かされることがなかった。多くの国民の信頼と期待に応えるために得た国会議員としての地位は重宝であると思うのだが。 (2022.6.21)
「懐重宝者 不以夜行 任大功者 不以軽敵」(戦国策 劉向編)