河村たかし名古屋市長のメダル噛みつきの様子をネットで見たが、誠に不適切あるまじき行為である。表敬訪問で訪れたソフトボールの後藤希友選手に金メダルを首にかけてもらい、その後メダルに噛みつき消毒もせずそのまま返したのである。
金メダルは選手達の努力だけでなく多くの関係者の支援があって得られたものである。選手や関係者に敬意をもって対するがごとく大切に扱ってしかるべきだろう。ましてコロナ禍の中、唾液をつけるなどとんでもないことだ。
衆議院議員5期、市長も4期目にもなれば、多くの人が頭を下げてくれるだろう。長い間そうされているうちにそれが当たり前になり、誠実丁寧に対応する人としての基本がおろそかになってしまったのかもしれない。頭を下げてくれるのは自分が立派なのではなく、立場に頭を下げていることを忘れてはならない。
今年73歳になる人間が、下品で汚らしく多くの人が吐き気を催すほどの行為をしてしまった訳で、恥ずかしくて家族は街中を歩けなくなっているかもしれない。後藤選手はじめ多くの人に迷惑をかけたことを素直に謝罪すべきだろう。幸いにもメダルはIOCが新しいものにしてくれるとのことだ。
孔子は70歳で「心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず。(思いのまま振舞っても道理を踏み外すことがなくなった)」と言ったが、孔子のようになれなくてもそうなるよう生きたいものである。少なくとも晩節を汚すことだけはしたくない。 (2021.8.13)