にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
にほんブログ村

本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇オリンピックの中止を喜ぶ人がいるようだ

 政府への支持が高まっては困るのだろうか。緊急事態宣言の発出が遅いと批判していたのに、発出されると発令日が早すぎて対応できない、時短要請などで多数の飲食店が悲鳴などと緊急事態宣言を批判する人達を多く報じて発出をも批判するメディアに呆れる。政府がどんな対応をしても評価することはないようだ。

 東京オリンピックを「新型コロナの流行下、開催は自殺行為」と批判し、政府のコロナ対応について,「10点満点で2点」と楽天の会長は言い放ち、ソフトバンクの会長は、「国民の大多数が開催延期か中止を希望しているのに、誰が何の権利で強行するのか」、「変異株が蔓延し、失われる命やGDPの下落、国民の我慢を考えるともっと大きな物を失う」との懸念を示したとのことだが、どうしてそんなことが言えるのだろうか。

 「其の位に在らざれば、其の政を謀(はか)らず」と孔子は言ったが、二人は著名人ではあるが、政府の人間でもないし医学への高い見識を備えた医師でもない。自己の思いを披瀝するのも結構だが、オリンピックを目指して頑張っている選手や監督、その他スタッフ、そして、オリンピックを成功させるために準備を進めている組織委員会などの関係者に配慮があって然るべきだろう。

 オリンピックを強行しようとする政府の方針に国民は猛反発、ネット上には非難の声が殺到している。国民の怒りはいよいよピークに達しようとしているなどと独善的な記事を掲載したり、海外の批判や開催反対の記事を頻繁に紹介するメディア、中止を求める署名と要請文を提出した元日弁連会長、「国民の生命や暮らしを守ることとオリンピック開催の両立は不可能(立憲)」、「再延期を決めるべきだ(国民)」など、政局にしようとの意図は感じても社会の安寧や国の名誉の護持といった気持ちは微塵も感じない。

 JOC理事の筑波大学教授は、多くの国民が疑義を感じているのに、政府や大会組織委、JOCも耳を傾けようとしない。そんなオリンピックに開催意義はないと批判したが、多くの国民が疑義を感じているとする根拠は、国民全体を反映するどんな調査から得たのだろうか。開催意義があるから1年延期して開催しようとしているのであり、オリンピックはできるなら開催してほしいのが国民の願いだろう。オリンピックを開催すれば感染が拡大し、中止すれば収束するのだろうか。オリンピック・パラリンピックの中止による経済的損失は1兆8000億円だそうだが、それよりも大事なことがたくさんあるように思う。  (2021.5.26)