令和3年3月、北海道旭川市の中学2年女子生徒が雪が積もった公園で凍死した状態で発見された。生徒は2月に吹雪の中を家を出たまま行方不明になっていた。その日のうちに低体温症で亡くなった可能性が高いとのことである。
1年生の4月頃からいじめられていたようで、6月には川に飛び込む自殺未遂で警察の捜査が開始され強要などのいじめの事実が明らかになった。4月から6月にかけて、母親は担任にいじめの調査を4回依頼したが調べてはもらえず、生徒本人が相談をした際には、加害者に言わないようお願いしたのにもかかわらずその日のうちに知れ渡ったのだそうだ。
学校は、毎年いじめに関するアンケート調査をしているが確認できなかった、としているようだが、どんな調査をしたのだろう。生徒指導主事の頃、過去のブログで取り上げたような調査を毎年行っていたが、確認できなかったことはなかった。まして旭川市の場合には母親も本人も相談しているのだから確認できなかったと話している校長はあまりにも無責任不誠実である。
いじめの調査と指導などを知らせる文書を全保護者に配布すると、保護者からはいじめを解消できていないにもかかわらず学校の対応に安心感を覚えるといった声が寄せられた。いじめ調査は文書でなくてもホームページへの掲載でかまわないが公表すべきである。公表されない現状を改善するためには義務化も考えるべきだろう。公表するとなればいい加減な対応は絶対にできない。 (2021.5.16)