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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇勝つことが目的ではない

 剣道の目的は、剣道の理念「剣道は剣の理法の修錬による人間形成の道である。」と剣道修錬の心構え「剣道を正しく真剣に学び、心身を錬磨して旺盛なる気力を養い、……以って国家社会を愛して広く人類の平和繁栄に寄与せんとするものである。」に述べられているが、そこには試合に言及した文言がない。剣道本来の目的は試合に勝つことではない。試合は剣道奨励のための方法なのである。

 「正しく立って、正しく構え、正しく打つ」、正しく打って結果(有効打)が出なければ仕方がない。まだまだ未熟なのである。こういう稽古を続けていると、人としての生き方の稽古であることに気づく。試合に勝つことを目的にすれば、単なる打ち合いになりかねない。品もなくなる。姿勢を正して、正しく考え、正しく行動し、正しい結果を求めていくことが人としての生き方なのだと思う。卑怯なことをして一時的に成果を上げても、最終的な成果など得らるものではない。

 剣道を続けることで、人としての生き方を学び、楽しさも味わうことができる。普及発展のためには、試合に勝つことばかり考えてはならないのである。強くなりたいと稽古に励むのだが、強くても正しくなければならない。そして、美しくなければ、剣道を学びたい、学ばせたいという人は増えない。勝つことが(目標ではなく)目的になれば、剣道の理念や修練の心構えから離れることになる。それはもはや剣道ではない。 (2013.4.14)