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本来の姿を取り戻す

みんなの心に輝く学校を目指し、中学校長として取り組んだ学校経営や教育課題などについての考えを述べます。

◇報道の力を借りる(1)…産経抄

 定年退職まで2カ月余りとなった平成23年の1月、教育現場の思いを報じていただくために退職記念に作成した冊子「みんなの心に輝く学校をめざして」とともに、以下のような文書を産経新聞社に送付すると、間もなくコラムで取り上げられた。


  産経抄子 様

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 我が校は市内の悪い学校の横綱と言われ続けてきましたが、熱意溢れる教職員集団の絶大な力によって、今では足利で一番いい学校と言われるようになりました。
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 連日報じられる信じられないような事件、多くの人の手本となるべき人の悪事、国を疎んじるような人間の増加など、このままでは国が滅んでしまうと思っています。立て直すためには教育の改革が必要であり、そのために報道機関の力がどうしても必要です。冊子を送らせていただいたのは、教育現場の思いを紹介していただくことができたら、壊れかけているこの国を救うために少しは役に立てるのではないかと考えたからです。
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 平成23年1月28日  栃木県足利市立O中学校長 OOOO

        

  産経抄(2011.2.10)

 ロシアの動きは、相変わらず素早い。タス通信によると、北方領土の日の7日、東京の在日ロシア大使館前で、右翼の活動家がロシア国旗を引き裂いた。ロシア外務省は翌日、日本大使館の井出敬二公使を呼び、当局が犯人を処罰するよう要求する ▼同じく7日、菅直人首相は、「許し難い暴挙だ」と、メドベージェフ大統領の国後島訪問を批判した。この発言に対するロシア側のいら立ちが、背景にあるのは言うまでもない。ただせっかくの首相の勇ましい弁舌も、鳩山由起夫前首相が講演で、北方領土の2島先行返還論に言及した直後とあっては、効果も半減だ ▼前原誠司外相のロシア訪問を前に、出はなをくじく外交戦術でもあろう。そうした政治的な思惑を差し引いても、国旗の侮辱に対して強い姿勢で臨むのは、国際社会では当然といえる ▼これまで日の丸は、中国や韓国で何度も燃やされ、切り裂かれてきた。そうした行為に対して、日本政府は弱腰でありすぎた。いや政府の責任だけではない。公立学校の入学、卒業式で、国旗に対して起立しない教師の姿がみられる、世界でも珍しい国である。 ▼教育委員会や校長が国旗、国歌に敬意を示すよう求めると、「憲法違反」だと抗弁する。先月東京高裁は、さすがにそんな非常識を認めない判決を下した。原告の東京都の教職員たちは、きのう上告した。救いは、こんな先生ばかりではないことだ ▼栃木県内のある公立学校では、毎朝、掲揚塔に国旗を掲げるのはもちろん、全教室でも常時掲揚している。地区最悪といわれた学校を立て直した校長から送られてきた、改革の記録で知った。校長の要望で、学校名を公表できないのが残念だが。


 地方の中学校の取り組みなど、大新聞が取り上げることはないかもしれないと思っていたので正直驚いた。国旗については学区内の全戸に知らせ、地元の新聞でも報じられていたので、コラムを読んで誇らしく感じたなどの声が学校に届いた。教育活動に支障が出ることを心配し学校名を公表しないようお願いしたが、その必要は全くなかった。

◇おもてなしの心に触れた大会だった

 今年のねんりんピック剣道交流大会は、長崎県五島市で行われた。昨年(山口県開催)は予選決勝で敗れ、出場は叶わなかったが、今年は行ったことがない五島市なので、出場できることに喜びを感じた。

 2年前の大会は、栃木県開催だったので3チームが出場できた。結果は優勝、準優勝、3位にそれぞれ入賞し最高の結果だったが、何度も強化練習会を行うなど、強化費用も相当にかかったと思うと、負けられないという気持ちが強かった。大会が終わった時は正直ホッとした。

 今回の大会は、予選リーグ1勝1敗で決勝トーナメントに進むことはできなかったが、5人がそれぞれ力を発揮できたこと、そして、大会関係者などの歓迎に素晴らしい大会だったと感じている。

 五島市立福江小学校の2人の児童の歓迎メッセージはとてもうれしかった。出場選手は皆同じ思いだったろう。「ギバレ!」と励まされれば頑張りもする。海と鬼岳がおすすめと言われれば行ってみたくもなる。レンタカーを借りて観光をしたのだった。お土産はかんころ餅と勧められれば、たくさん買って帰ったのである。

 観光や市街地散策では挨拶されたり道案内をしていただいたりしたが、催し物などで迎える側になったら是非こうしたいと思った。おもてなしの心に触れた大会は、いつまでも選手の心に残ることだろう。

◇学校不信を招くことになっては

 宿題は、クラスや学校によって内容などに違いがあって当然とは思うが、それが適切かどうかの学校の判断に間違いがあってはならないだろう。

 「自分の子どもが通う小学校の宿題が多すぎる。友だちのところ(友人の子どもが通う他の小学校)はすごく少ないのに」と話す母親たちの会話を耳にしたことがある。親が面倒を見ないとできない内容が多ければ、苦痛を感じる保護者は少なくないだろう。

 長期休業などに出される宿題については、どこの学校もその内容などを印刷して子どもに配布するが、同じ市内の子どもの宿題に大きな差があってはならないだろう。プロの教師が見比べれば学校ごとの違いが瞬時に分かる。教育委員会の指導も時には必要かもしれない。

 あまりにも多いと勇気を奮い起こして学校に要望しても、一向に改善されなければ保護者や子どもの不満はやがて学校不信となっていく。学校への意見や要望が少なかったとしても無視するようなことがあってはならないのである。宿題のプリントを見て、「これ酷いね」と学校への不満を抱く保護者が大勢いるかもしれないと考えることも大事である。

 

◇公務員のように有給休暇が取れたら

 総理が企業に給与の引き上げを要請しているのはとてもいいことだと思う。今後も引き上げを要請してほしいものである。

 随分前の新聞に、政府や経済界が「プレミアムフライデー」構想の導入を検討しているとの記事があった。月末の金曜日の午後3時に退庁・退社ができれば、浮いた時間を買い物や旅行など充てることができるので、個人消費の喚起に繋がるというのである。

 しかしそれは、土曜日が休みの人に恩恵をもたらしても、休みではない人、特に月末は忙しく休めない民間人にとっては何の恩恵ももたらさないかもしれない。

 公務員は時間単位で有給休暇が取れるので、2時間の時間給を取ってもらえば、制度を導入しなくても済みそうである。民間では、休暇を半日又は1日単位でしか取れないところが少なくない。僅か30分1時間の用事でも、午前であれば午前が、午後になれば午後が休暇になる。

 公務員と同じように時間で有給休暇が取れれば、いざという時のために休暇を残しておくことができる。時間で有給休暇が取れれば職場も働き易くなる。「プレミアムフライデー」よりも早く実現すべきだろう。

◇一生の思い出になるだろう

 今年の7月、国体候補選手の強化のために3年ぶりに韓国を訪問した。日本の高校生との剣道交流ということで、5校の高校生が集まってくれた。遠くは高速道路を使って3時間もかけて来てくれたのである。

 前回も感じたことだが、韓国の高校生はとても強い。速い打ちと手数の多さは相変わらずで思い切りがいい。今年の国体候補の高校生は、最初は戸惑っていたが、韓国の高校生にも慣れ、韓国の高校生かと見間違うほど、思い切りのいい試合を展開し、韓国チームに負けなくなったのである。

 錬成会の開始に先立ち、以下のような内容の挨拶をしたが、

 (アンニョンハセヨ)
 本日は、国体候補選手の強化のための錬成会に、朝早くから、又、遠路お越しいただきありがとうございます。

 3年前も本日のように多くの韓国の高校生に集まっていただきお世話になりました。

 韓国の高校生は、強くて礼儀正しく、とてもいい刺激を受けました。お陰様で、あの時の高校生は、10月の国体で上位入賞を果たしました。

 今日明日で行われる錬成会で、韓国と日本の高校生が親睦を深め、一生の友達関係が築けるよう願っています。2日間どうぞ宜しくお願いします。
 (カムサミダ)

 韓国と日本の高校生は親睦を深め友情を培うことができた。「日本人と韓国人は仲良くしなければならない。剣道を通してお互いを知り、信頼関係を深めていくべきである。」との思いを双方がもっていたからだろう。

 国と国とのギクシャクした関係は相変わらずだが、関係改善するためには、諸々の交流を重ねながら相互不信を解消することだろう。韓国人の気遣いに心から感謝した素晴らしい交流だった。

◇平日割引もしたらいい

 休日の高速料金がどこまで行っても千円だった頃は、いろんな場所で渋滞が発生するなど、休日はいつも混雑していたように思う。

 現在は休日どこまで行っても3割引だが、もう少し安ければと考えている人は多いだろう。しかし、平日は割引がないので、そのことを思えば特に不満はないのかもしれない。

 金はあっても暇がない、暇はあっても金がないなど、人はそれぞれだが、高齢化が進んだ現在では、両方持ち合わせた高齢者も少なくない。そういう高齢者に、観光などで遠方に出かけてもらい、大いに金を使ってもらえれば少しは日本の経済もよくなるだろう。

 そのためには、平日割引も取り入れたらいい。当面の間、平日も3割引にするとか、無理なら2割引にするとか、割引をすれば高齢者だけでなく、出かけようとする人が増えるかもしれない。

 日光宇都宮道路は、以前は閑散とした道路で、宇都宮から乗って日光に着くまでに何台も車に出会わないほどだったが、料金を半額にしたら、利用者は倍どころか、5~6倍にはなったという気がする。

 割引をしてもネクスコの利用収入が大きく減るとは思えない。減収分を国が補助することでの実施でも、金をばらまいた過去の経済対策よりはましである。

◇強いだけじゃない

 リオのオリンピックで、柔道73㎏級の金メダルに輝いた大野将平選手は、アゼルバイジャンのオルジョイ選手に勝った瞬間、にこりともせず、万歳もガッツポーズもしなかった。

 前回のロンドン大会では、男子柔道に金メダルがなかったので、2大会ぶりの金メダルであり、喜びを爆発させるような派手な振る舞いがあっても不思議ではなかった。しかし、大野選手は気持ちを乱すことなく、しっかりと礼をして畳を降りたのである。そして、やっと笑顔を見せたのだった。

 試合後にそのことを尋ねられ、相手がいますから、と敗者を気遣ったのである。そして、礼に始まり礼に終わる武道の精神、柔道の素晴らしさ、強さ、美しさを伝えられたのではないか、と柔道家としてその魅力を語ったのである。

 柔道の国際大会で相手をぶん投げ、体にのった状態でガッツポーズをした選手がいたが、武道の精神はどうしたのかと感じたことがある。剣道では、有効打突が宣告された後でも、宣告が取り消される不適切な行為なのである。

 強いだけではなく、敗者に敬意を払うなど、金メダルに相応しい人間性を感じたからこそ、大野選手を多くの日本人が賞賛したのだろう。清々しい気持ちにさせてくれたのである。