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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇戦争は絶対悪ではない

 2月24日の侵攻から間もなく9カ月になるが、ウクライナの悲惨な現状を知れば知るほどプーチンとその一味は絶対に許せないという気持ちになる。ロシアに屈しないとのウクライナの覚悟は帝政ロシアソ連の支配で辛酸をなめたからだろう。

 農作物の強制徴収で発生した飢餓で数百万人が命を落としたホロドモール、国内パスポート制による農民の移動制限、強制労働、共産党の監視と過酷な懲罰、ジェノサイド、収容所への強制収容など、悲惨な歴史はどんな犠牲を払ってでも戦うとの気持ちになるのも当然だろう。

 鈴木宗男日本維新の会は、自身のブログ「ムネオ日記」で8000㎢領土奪還のウクライナに「自前で戦えないなら平和的解決を模索すべき(9月15日)」と書いた。ガルージン駐日ロシア大使が講演した勉強会(10月5日)では「戦争には双方言い分がある」と発言したことを書いていたが、ウクライナ国民を深く傷つけロシアの戦争犯罪を不問にするとんでもない主張である。

 橋下徹(コメンテーター、弁護士)は、情報番組に出演中、「今、ウクライナは18歳から60歳まで男性を国外退避させないっていうのは、これは違う」、「ウクライナ人は国外へ逃げろ」などと発言(3月3日)した。みんな国外に逃げたらウクライナはなんの造作もなくロシアのものになり、その後故郷に戻れる保証はない。無責任も甚だしい。この番組を見ていたウクライナ人は泣きたい気持ちだったろう。

 日本はソ連ではなくアメリカの占領統治で幸いだった。ソ連だったらどんなことになっていただろう。ウクライナが降伏することになったら徹底したロシア化が行われるに違いない。公用語はロシア語、ウクライナ語は禁止、ウクライナ通貨を廃止してルーブルに、ロシアに不都合な真実の歴史は改ざん、ウクライナ文化の破壊、反ロシア的言動は逮捕拘禁、粛清されるかもしれない。ウクライナは生きるために人間らしく生きるために戦っている。今まで平和に生きてこられた日本も今後はそうもいかないだろう。平和ボケは何とかしたいものだ。

 第7回世界価値観調査(各国毎に18歳以上の男女1000~2000サンプル程度の意識調査、2017~2020実施)の各国の回答結果がグラフ表示されている。「もし戦争が起こったら国のために戦うか」の問に対する日本の結果にはがっかりする。主な国の結果は以下の通りである。

      「はい」  「いいえ」 「わからない」 「無回答」

米国   59.6%  38.6%   0.0%   1.7%
英国   64.5〃  31.9〃   3.3〃   0.2〃
フランス 65.6〃  28.1〃   5.6〃   0.7〃

ロシア  68.2〃  22.0〃   9.1〃   0.7〃
中国   88.5〃  10.2〃   0.0〃   1.3〃
韓国   67.4〃  32.6〃   0.0〃   0.0〃
台湾   76.9〃  23.1〃   0.0〃   0.0〃

ドイツ  44.8〃  40.6〃  12.2〃   2.4〃
イタリア 37.4〃  45.0〃  13.9〃   3.8〃
日本   13.2〃  48.6〃  38.1〃   0.2〃

 日本語での設問文の全文は、「もう二度と戦争はあって欲しくないというのがわれわれすべての願いですが、もし仮にそういう事態になったら、あなたは進んでわが国のために戦いますか」であり、各国の調査票も同様である。

 「はい」の比率が日本は世界79カ国の最低となっている。「いいえ」の比率は6位(1位はマカオの59.0%)である。国のために戦うかどうかの意識には、第二次大戦が大きく影響しているようで、ドイツとイタリアも日本ほどではないが比率は低い。日本が極端に低くなっているのは、精神が軟弱、愛国心の欠如ということがあるかもしれないが、憲法9条を考慮した結果なのかもしれない。「わからない」が38.1%(79カ国中1位)になっているのはそういうことでもあろう。

 軍民合せて310万人がなくなり、戦争はこりごりという感情は当然のことと思うが、戦争は絶対悪と考えているのであれば改めるべきだ。他国侵略戦争は絶対悪だが、祖国防衛戦争は悪ではなく善である。ロシアのウクライナ侵略を見れば明らかである。  (2022.11.13)