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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇感動の式で送り出したいはずだが

 2月も後半になれば学校は卒業式の練習を始めているだろう。国歌や校歌、式歌、卒業証書のもらい方など、予行練習を通して立派な式になるよう生徒と教職員が力を合わせて取り組むのがコロナ前の姿だった。もう3年も満足な式ができずにいるが、今年も難しそうだ。

 文科省は各学校の実情に応じて卒業式が適切に行われるようマスクの取扱いに関する基本的方針を各都道府県の教育委員会などに通知した(2月10日)とのことだ。通知では児童生徒と教職員は、入退場、式辞、卒業証書授与、送辞・答辞の場面など、式全体を通じてマスクなしを基本とするが、来賓や保護者等はマスクを着用するとともに、座席間に触れ合わない程度の距離を確保したうえで、参加人数の制限を不要とした。

 児童生徒や教職員は式全体を通じてマスクなしを基本としているにもかかわらず、国歌や校歌などの斉唱及び複数の児童生徒による「呼びかけ」の際はマスクを着用するなど、一定の感染症対策を講じるよう求めている。マスクを着けたり外したりすれば気持ちが途切れるかもしれない。

 剣道では、飛沫感染防止のためにマウスガードの装着や面マスクの着用が義務づけられている。面マスクはナイロンやポリウレタン製などで呼吸がしやすく鼻マスクにもなりにくい物を使用している。不織布マスクで稽古している人を見たことがないが、国歌や校歌などをマスク着用で斉唱するのであればマスクの検討も必要かもしれない。

 マスクの着脱については、感染不安からマスクの着用を希望する児童生徒や健康上の理由により着用できない児童生徒もいることから強制はしない。また、マスクの着用有無による差別や偏見が生じないよう適切な指導を依頼したとのことである。こういう通知に困惑する学校もあるかもしれない。厳粛かつ感動的な式で卒業生を送り出したいとの思いは叶えられるのだろうか。  (2023.2.18)