自民党総裁選の投開票(平成29年9月20日)が行われ、安倍総理が石破議員に圧勝した。結果についてメディアは善戦と報じ石破議員がまるで勝利したかのようだった。この度の結果は、
安倍総理が獲得した国会議員票…329票(81%)
石破議員 〃 73票(18%)
安倍総理が獲得した党員票 …224票(55%)
石破議員 〃 181票(45%)
合計すると、安倍総理が553票、石破議員は254票なので、石破議員の惨敗である。当初の予想は、石破議員の国会議員票が50票、党員票を合わせても200票くらいと見積もられていたので、予想以上に票を伸ばしはした。
自民党が野党だった6年前(平成23年9月26日、3年前は無投票で安倍総理再選)の総裁選では5人が立候補したので単純に比較はできないが、1回目の投票で得た安倍総理と石破議員の結果は、
安倍総理が獲得した国会議員票… 54票(27%)
石破議員 〃 34票(17%)
安倍総理が獲得した党員票 … 87票(29%)
石破議員 〃 165票(55%)
合計すると安倍総理が141票、石破議員が199票、過半数(250票)を獲得した候補者がいなかったので、上位2名(安倍総理と石破議員)の決選投票(国会議員のみ)が行われた。その結果は、
安倍総理が獲得した国会議員票…108票(55%)
石破議員 〃 89票(45%)
前回の結果と比べると、安倍総理は国会議員票を55%から81%に増やし、石破議員は国会議員票を45%から18%に減らしたのである。党員票についても、大差(安倍総理29%、石破議員55%)をつけられていたが、55%の党員票を獲得し石破議員(45%)を上回ったのである。
現職だった頃、教職員の評価で重要と感じていたことは、同僚がどういう評価をしているかということである。身近で日々の活動を見続けているのが同僚である。石破議員は国会議員からも党員からも支持を下げたが、特に国会議員の支持を大きく下げたことは重く受け止めるべきだろう。
総裁選は終わったが、総裁の決め方には疑問を感じる。405名の国会議員が選挙で得た票は何千万票になるのか分からないが、国会議員の1票には何万人もの国民の支持があることを忘れてはならない。今回投票した党員は64万人程(総理35万5487票、石破議員28万6003票)だった。405票の党員票の1票は1583人ということになる。国会議員の1票と党員票の1票が同じではおかしい。
今回のような総裁選では、国民の一部でしかない党員のわずかな差で総裁が決まってしまうようなとんでもないことが起こるかもしれない。早急に改める必要がある。 (2018.9.26)