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本来の姿を取り戻す

みんなの心に輝く学校を目指し、中学校長として取り組んだ学校経営や教育課題などについての考えを述べます。

◇学習評価(2)…このような評価に未来はあるか

 学習評価の方法が、相対評価(集団に準拠した評価)から絶対評価(目標に準拠した評価)になり、全国の学校は、絶対評価の研究実践に熱心に取り組んだことだろう。「関心・意欲・態度」、「思考・判断」、「技能・表現」、「知識・理解」といった観点別の指導目標、単元ごと、本時ごとの評価規準の作成、いつ、どこで、何を、どのように評価するかといった評価計画、収集した評価資料の分析と処理、そして、観点別学習状況から5段階評定の算出といった実践に膨大な時間と労力を費やしたのである。

 そんな中にあっても、教師は教材研究をし、授業も進めなければならないのである。部活動、生徒指導、校務分掌の処理など、やるべきことが山ほどあり、教師の過重な負担は、未だ納得の評価ができないばかりか、教師の活力を奪う結果になったと感じている。

 各学校の評定には、相当なばらつきがあると教育情報誌などで紹介されていた。相対評価なら、各教科「5」は全体の7%しかいないが、その数倍もの生徒が「5」になった学校もある。千葉県のある学校では、「5」の生徒の割合が保健体育で89%、美術で74%、社会で69%、理科で59%、生徒180人の中で、「1」の生徒は一人もなく、「2」も各教科数人しかいなかったとのことである。こんなことでは、客観性や信頼性が高まるはずがない。

 絶対評価という名の主観評価が、教育界から批判の声も上がらず、一向に見直される気配がないのを懸念している方(現京都大学、西村和雄名誉教授)がいるが、私もそのことを強く感じていた。疑問を感じながらの実践で成果を得ることはできない。今までの実践から感じたことを、今度は現場から発信していくことが重要だろう。10年の実践で何の展望も開けないようなものに未来はないと言わざるを得ない。