5月11日、教員免許更新制を廃止する教育職員免許法などの改正案が参院本会議で可決、成立した。教員として必要な資質能力が保持されるよう最新の知識や技能を身につけ、自信と誇りをもって教育活動に取り組めるようにすることがねらいだったが、教員の多忙化の一因とされ教員不足につながっていると指摘されていた。
文科省は免許更新制に代わり、指導力向上を図る新たな研修制度を来年4月から開始するため、今夏をめどに研修内容などを示した指針を策定する。指針には情報通信技術(ICT)活用などを柱とする教員に必要な知識や指導方法など盛り込まれ、都道府県教委などは指針に従い研修の詳細を決める。
改正法では、都道府県教委などに教員が受講した研修を個別に記録することを義務づけ、校長が受講すべき研修を助言する制度が盛り込まれたが、校長による押し付けになるとの懸念から、教員の意向をくみ取って実施するとの付帯決議が採択された。
以前のブログで更新制廃止の代わりの研修の充実強化など必要ないと書いたが、教員の負担軽減が図れなければ教員不足は改善されない。初任者研修、中堅教諭等資質向上研修、各種の教育研究会など、資質能力向上に資する研修を行っているのに教員の資質向上策はもう必要ないとはならない。どうしてなのか考えてほしいものだ。
教育現場は職員の意見を尊重する風通しのいい職場でなければならない。そうでなければおもしろくはないし負担感は増すばかりになる。魅力ある教育現場をつくるにはどうしたらいいかをまず考えなければならない。現場視点で教育施策も研修も考えなければ成果なしの繰り返しを今後も是正できないだろう。 (2022.6.1)