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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇母親だけにしてはどうか

 保健室に女子生徒が思いつめた様子で訪れた。話を聞いた養護教諭は秘密にしておける内容ではなかったので、担任などと対応を話し合うこと、保護者にも事実を知ってもらうことが必要と説得すると、生徒は納得し同意した。

 携帯電話を持たせなければ不純異性交遊は起こらなかったと思われるが、つきあっていた異性とはその後連絡を取り合わなかったこと、そして、身体の不安も解消されたことで生徒は落ち着きを取り戻した。

 携帯電話を持たせないよう市内の中学校が指導していたところでもあり、また、異性との関係を完全に断ち切るためには本人だけでなく家庭の力も必要であり、今後の対応のため保護者に来校してもらうことになった。

 担当学年の報告でこの問題を知ったが、両親に来てもらうとの方針(重大な問題だから両親を)には疑問を感じ母親だけにしたらどうか、父親には母親から伝えてもらうようにしたらと提案した。携帯は両親が納得の上で持たせたものだったのか、父親は冷静に受け止められるのか、母親が責め立てられるようなことにならないかなど、見極めが必要である。両親でなければ好ましくないとは思えなかった。

 来校した母親の印象は見るからに善良な人だったとのことで、娘さんの行動を知らされると体中がブルブルと震えだし概要の説明が終わると泣きじゃくったということだった。

 女子生徒はその後携帯を持たず、異性との関係も完全に断ち切れたようで元気に学校生活を過ごしていた。母親だけだったからよかったのかどうかは分からないが、家庭の対応が上手くいっていることの証明のように感じたのである。  (2022.5.1)