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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇広島平和宣言(8)…多くの人が納得する宣言とは思えない

 平和記念式典では、総理にヤジを飛ばすなど、ひんしゅくを買うような行為もなく世界に発信しても恥ずかしくないと思う。

 市長による平和宣言は年々改善されているが、気になる点もあった。

 「今世界では自国第一主義が台頭し、国家間の排他的対立的な動きが緊張関係を高め、核兵器廃絶への動きも停滞…」と冒頭で述べたことには賛同できない。

 どこの国の誰を批判しているのか、誰もが思い浮かべることができるだろう。式典の参列者には大使館員も含まれている。自国への批判と感じれば不快な気分になっただろう。

 自国第一主義が問題なら、中国は共産党第一主義、北朝鮮は金委員長第一主義だろう。自国第一主義よりそちらの方がはるかに問題である。

 「…日本国憲法の平和主義を体現するためにも…」と、今年も日本国憲法に言及したが、とんでもない認識である。

 憲法によって国の平和、安全が脅かされるようなことがあってはならないと考えるから多くの国民が憲法論議を進めることに賛成なのである。

 憲法9条の第2項には戦力を保持しないこと、交戦権を認めないことが記されている。文言通りの解釈なら他国に侵略されても戦うことすらできない。

 人権も生存の権利さえも放棄させられた憲法と言っても過言ではない。逆に戦争を誘発するような憲法である。国民が虫けらのように殺されてもそれを受け入れろということが平和主義なのか、いい加減に目を覚ませと言いたくなる。

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  平和宣言

 今世界では自国第一主義が台頭し、国家間の排他的対立的な動きが緊張関係を高め、核兵器廃絶への動きも停滞しています。このような世界情勢を皆さんはどう受け止めますか。二度の世界大戦を経験した私たちの先輩が決して戦争を起こさない理想の世界を目指し、国際的な協調体制の構築を誓ったことを私たちはいま一度思い出し、人類の存続に向け理想の世界を目指す必要があるのではないでしょうか。

 特に次代を担う戦争を知らない若い人にこのことを訴えたい。そして、そのためにも1945年8月6日を体験した被爆者の声を聴いてほしいのです。

 当時5歳だった女性は、こんな歌を詠んでいます。「おかっぱの頭(づ)から流るる血しぶきに 妹抱(いだ)きて母は阿修羅(あしゅら)に」

 また、「男女の区別さえ出来ない人々が、衣類は焼けただれて裸同然。髪の毛も無く、目玉は飛び出て唇も耳も引きちぎられたような人、顔面の皮膚も垂れ下がり、全身血まみれの人、人」という惨状を18歳で体験した男性は、「絶対にあのようなことを後世の人たちに体験させてはならない。私たちのこの苦痛はもう私たちだけでよい」と訴えています。

 生き延びたものの心身に深刻な傷を負い続ける被爆者のこうした訴えが皆さんに届いていますか。

 「一人の人間の力は小さく弱くても、一人一人が平和を望むことで、戦争を起こそうとする力を食い止めることができると信じています」という当時15歳だった女性の信条を単なる願いに終わらせてよいのでしょうか。

 世界に目を向けると、一人の力は小さくても多くの人の力が結集すれば願いが実現するという事例がたくさんあります。インドの独立はその事例の一つであり、独立に貢献したガンジーは辛く厳しい体験を経て、こんな言葉を残しています。

 「不寛容はそれ自体が暴力の一形態であり、真の民主的精神の成長を妨げるものです」

 現状に背を向けることなく、平和で持続可能な世界を実現していくためには、私たち一人一人が立場や主張の違いを互いに乗り越え、理想を目指し共に努力するという「寛容」の心を持たなければなりません。

 そのためには、未来を担う若い人たちが原爆や戦争を単なる過去の出来事と捉えず、また、被爆者や平和な世界を目指す人たちの声や努力を自らのものとしてたゆむことなく前進していくことが重要となります。

 そして、世界中の為政者は市民社会が目指す理想に向けて共に前進しなければなりません。そのためにも被爆地を訪れ、被爆者の声を聴き、平和記念資料館、追悼平和祈念館で犠牲者や遺族一人一人の人生に向き合っていただきたい。

 また、かつて核競争が激化し緊張状態が高まった際に、米ソの両核大国の間で「理性」の発露と対話によって、核軍縮に舵を切った勇気ある先輩がいたということを思い起こしていただきたい。

 今、広島市は約7800の平和首長会議の加盟都市と一緒に広く市民社会に「ヒロシマの心」を共有してもらうことにより、核廃絶に向かう為政者の行動を後押しする環境づくりに力を入れています。世界中の為政者には、核不拡散条約第6条に定められている核軍縮の誠実交渉義務を果たすとともに、核兵器のない世界への一里塚となる核兵器禁止条約の発効を求める市民社会の思いに応えていただきたい。

 こうした中、日本政府には唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めていただきたい。その上で、日本国憲法の平和主義を体現するためにも、核兵器のない世界の実現に更に一歩踏み込んでリーダーシップを発揮していただきたい。また、平均年齢が82歳を超えた被爆者を始め、心身に悪影響を及ぼす放射線により生活面で様々な苦しみを抱える多くの人々の苦悩に寄り添い、その支援策を充実するとともに、「黒い雨降雨地域」を拡大するよう強く求めます。

 本日、被爆74周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。

 令和元年(2019年)8月6日 広島市長 松井 一実

 (2019.8.9)

 

 

◇議員活動が十分にできれば

 れいわ新撰組から立候補した舩後靖彦氏(61)と木村英子氏(54)が当選した。舩後氏は自力で身体を動かすことも言葉を発することも難しい筋萎縮性側索硬化症という難病の患者で、意思の疎通は目や口の筋肉の僅かな動きと文字盤で介護者に意思を伝えるという特別な対応が必要なのだそうだ。

 木村氏も脳性麻痺で身体を自由に動かすことができない。意思の疎通には介護者の特別な対応が必要なのだそうで、二人とも大型の車椅子と介護者が欠かせない。

 今後二人は国会議員としての務めを果たすために非常な困難に出合うだろう。国会は日付が変わるくらいの長時間審議もしばしばで相当に体力も必要である。また、議員の発言は予め知らされることもないので審議内容を理解するのも大変だろう。

 有能な議員が障害のために、あるいは病気のために引退していった例は少なくないが、重度の障害にもかかわらず立候補したのは相当な覚悟があってのことだろう。

 国会議員は当選したばかりでも、基本給(月129万4千円)、期末手当(635万円)、文書通信交通滞在費(月100万円)、立法事務費(月65万円)、秘書給与(3人まで雇用可、1人600~800万円)、その他調査のための派遣旅費や日当などを合わせると、年に6000万円を超える経費が必要になる。国会議員であることの重みは障害者であっても軽くはない。

 話題性もあり今後二人は多くの国民の注目をあびることになる。議員としての評価が得られれば非難や攻撃を受けることもないだろう。障害があっても務めが果たせるということを見せてほしいものだ。  (2019.7.25)

◇信頼されての人気とはかぎらない

 夕方のテレビ(昨年の12月)を見ていたら、小泉進次郞議員が政権交代は必要と話していたが、メディアに登場すればするほど人間性や政治家としての力量に疑問を感じてしまう。

 民主党への政権交代がどうなったかを忘れたのだろうか。政権への批判ばかりでまともな議論にならない野党に政権交代したらとんでもないことになるだろう。我が国の置かれている状況、世界の情勢を考えたら無責任なことはできない。

 与党議員でありながら政権交代は必要と主張する人間は、野党から支持されても与党議員から信頼されるのだろうか。やがては総理にと期待される人間ではあるが、そんな期待は小さくなるかもしれない。

 抜群の人気は国民の信頼を得たことで得られたものとはかぎらない。演説が上手、若くて格好いいといったことかもしれないのである。人気が一気に地に落ちたことなど政治の世界ではよくあることだろう。軽率な言動を続けていたら小泉議員もそれを体験することになる。  (2019.7.16)

◇躊躇している暇はない

 過去のブログ「尊い仕事なのだが」で、教職員を含め教育関係者には多忙な教育現場を改善するという気概に欠けていたと書いたが、益々忙しくなっている状態らしい。

 精神疾患による休職者が5千人になる状況であれば、精神科で薬を処方されている人はその何倍になるのだろう。日ごろ元気に働いている職員から「実は病院で…」と打ち明けられ驚いた記憶がある。

 家族や今後のこともあり絶対に無理をしないよう話したが、こちらが知らないだけで他にもいるかもしれないし精神科での診察に迷っている職員もいるかもしれないと考えると、教職員の負担軽減は何が何でもやらなければならないと感じた。そして、教師は立派でなくてもいい、普通であれば十分と考えるようになった。

 平成30年度の教員採用試験の競争率が報じられ(5月23日、産経新聞た。それによると、採用者の多い小学校の競争率は3.2倍(中学校の競争率は6.8倍、高校は7.7倍)で7年連続の減少だった。自治体別では、新潟県が1.8倍、福岡県が1.9倍で多くが3倍以下だった。ブラックと言われる過酷な教育現場はもはや放置できない状況にある。

 足利市内には例年行われてきた家庭訪問を止めた学校があるが、今ほど勇気ある取り組みが求められている時代はない。  (2019.7.2)

◇平均2000万円は意味がない

 95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要との報告書(金融庁金融審議会)をめぐって野党はあたかも年金制度そのものが破綻したかのように政府を追及しているが、正直くだらないと感じる。年金で老後を賄えるような夫婦もいるかもしれないが、多くは年金のみでは無理と承知しているし、財形年金貯蓄や個人年金保険に加入するなど、対策を講じている人は少なくないだろう。

 国民年金は65歳支給となり、共済年金支給開始年齢も段階的に引き上げられ、令和7年度退職者からは65歳支給となる。60歳で教職を退いた後に働かなければ5年間収入がないので、少なくとも数年間は何らかの仕事に就いて働かなければと考えているだろう。

    麻生財務大臣はこの報告書を受け取らないとしているが、無くても何ら不都合はないように思う。老後の生活は人それぞれで一概に言えることではない。

 2000万円は平均ということだが、平均を国民に知らせて何の意味があるのだろう。象が2匹、ネズミが8匹、象とネズミは平均して何匹か知ったところで何にもならないのと同じだろう。  (2019.6.21)

◇父親を非難する気にはなれない

 元農林水産省事務次官が長男を刺殺した事件(令和元年6月1日)について、引きこもりなどに詳しい専門家やコメンテーターが所見をあれこれ述べている。大方が父親は最悪の判断をしたかのように言うが、中学校から始まった暴力に今までどれ程苦しんできたかを思うと、所詮他人事できれい事を言っているようにしか聞こえない。

 幼少年期の子育てに至らないことがあったとしても、そのことを44歳の息子の行状の全ての責任にすることはできない。働きもせず、親に暴力を振るう自分を不惑を過ぎても改められなかった責任は息子にある。

 普通の人間なら、小学校の運動会の音に「うるせえな、ぶっ殺してやるぞ」とは絶対に言わない。高齢の両親に暴力を振るうこともない。この息子には川崎のような事件(令和元年5月28日、51歳の引きこもり男が小学生など20人を殺傷した)を起こす可能性が十分にあり、それを危惧するのは当然である。

 全てを失うことは十分に分かっていたであろう。覚悟をもっての行動である。自分達夫婦への暴力、他人への危害を未然に防ぐための苦渋の決断を責めることなどできない。息子は親に子殺しをさせるほどの親不孝をしたのであり同情できない。自業自得と言われても仕方がないことだろう。  (2019.6.6)

◇校長ということで解決がつくなら簡単だ

 学校にかかってきた保護者からの電話を受けた職員から、保護者に電話をしてくださいとの電話がかかってきた。内容は苦情のようだったが詳細は聞いてないらしく電話をしてもらえば分かる(「してもらわないと私が困るんです」と言うのには、では校長が困っても構わないのかなと問いたい気持ちになった)というものだった。

 他校でのことだが、保護者からの電話を校長に繋いだために、その後は校長が対応することになってしまった。どういうやり取りがされていたのか詳細が掴めなかったので職員は電話を代わることもできなかった。評判が非常に悪い保護者だったこともあってか校長との関係はこじれにこじれ解決がつかなかった。そんな顛末を知っていたので電話をかけるわけにもいかなかった。そこで、

 転勤したばかりで保護者はもちろん生徒の名前も顔も分からない状況で電話をかけても埒が明かない。担任か学年主任に電話してもらうよう話して電話を切った。

 校長を出せなどとかなり威圧的な電話や訪問者には、どういう人かが分からない状況では電話に出ないし会わなかったが、それによって悪い結果を招いたことはなかった。

 しばしば苦情を言ってくる保護者が職員室で教育委員会に行くと息巻いているのですが、どうしますかと職員から報告があり、「どうぞ教育委員会に行ってください」と帰ってもらったことがあった。

 保護者は市教委でこの対応に怒りを爆発させたらしく、市教委から面談を要請されたが断った。後日保護者が市教委に出向いたらしく市教委から再び電話があった。どうしても会ってやってほしいと言うので、それならばと条件を出した。

 学校は組織で動いているので校長と話して手っ取り早く決着をつけようとしない。部活動に不満があるようだが要求するだけの話し合いにしない。校長と真摯に話し合うということでなら会ってもいいと伝えてもらうと全部了解ということだった。

 じっくり話し合ってみると、両親とも十分に納得したらしく、爽やかな表情を浮かべ丁寧な謝意を述べて帰った。モンスターペアレントが話題に上ることも多いが、私には特に困った経験がない。意思疎通がはかれればトラブルにならないことも多いのではないかと思う。 (2019.6.3)