3学期に入ると、中学校では3年生の卒業に向けた取り組みを始める。生徒を見て学校を判断してほしいと考えている教職員にとって、立派な卒業生の姿は3年間の教育活動の成果であり誇らしく思えることだろう。
卒業の日が迫るにつれ、卒業したくない、この学校にもっといたい、といった心情を吐露する3年生、そして、多くの下級生が卒業を寂しがり学校は卒業期の独特な雰囲気に包まれる。
市内の多くの学校は、以下のような全校的な取り組みを行うのである。
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1 ねらい
ア 3年間を振り返らせ、卒業を迎えることができたことに対して、両親や学校、地域の人たちに対して感謝の気持をもたせる。
イ 卒業生、在校生、教職員が一体となり、連帯感を高め、母校への愛着と誇りをもたせる。
ウ 一人一人の悩みや焦りを取り除くとともに、自立への心構えをもたせ、有終の美を飾らせる。
2 留意点
ア 学年・学級の枠を越え、同一方針の下に指導する。
イ 生徒一人一人に目を向けた指導を充実する。
3 具体策
ア 良い校風(伝統)を築く
(もう卒業だからと気がゆるみがちであるが、最後までやるべきことをきちんとやり、気を抜かずに生活していくことも伝統にしたいものである。)
①日常の教育活動を充実させる。(授業、清掃、係り活動)
②礼儀作法を整える。(言葉づかい、あいさつ)
③連帯感を高める。
・3年生を送る会
・部活動お別れ会
・在校生からの激励の言葉の掲示
・卒業生から在校生へ託す言葉の掲示
・感動の卒業式
④感謝の気持をもたせる。
・奉仕活動(教室内等の整備)
・学級担任への感謝(学年主任、教科担任などから)
イ 悩みや不安、不満を解消する
(この時期は、心が不安定になりがちである。特に目立たない生徒にも気を配るとともに、不用意な発言などで傷つけることのないよう人間味のある温かい指導が大切である。)
①進路相談と教育相談を充実させる。
・進路決定者、未決定者への援助と指導
・チャンス相談(元気のない姿を見た時など)やグル-プ相談
②温かい人間関係(一声かけるなどの配慮…全職員)
③学級での指導
・卒業にあたっての抱負や決意
・友人や教師の思い出
・後輩に望むこと
・3年間の反省
などの作文や担任の人生観、体験談を話し、将来への夢や希望、勇気をもたせる。
ウ 問題の発生を防止する
(この時期は不安や悩みを解消できず、あるいは目的を失うなどして、本来の道からそれ、問題が発生しがちである。)
①情報交換を密にし、共通理解を図る。
些細な噂、不審な行動を見逃さない。(報・連・相)
②校舎内外の巡回指導を充実する。
③服装、髪形などの指導(学年集会や学級活動で)
④学年間の連携を密にする。
物品売買、暴力行為、カンパなどの防止
⑤問題が発生したら、担任任せにせず集団で対応する。
(校内で問題行動が発生し、指導に赴く職員を見たら、一人で間に合うと思っても後からついて行き、指導に加わる。職員の団結を生徒に見せる。)
⑥問題を起こしがちな生徒との面談(生活実態の把握)
⑦他校生や卒業生との関係を断ち切る指導
⑧保護者との連携を密にする。(理解と協力)
⑨関係機関との連携(駐在所、少年指導センター他)
エ その他(卒業後についての指導)
・来校した時は…職員室へ来て挨拶
・来校時の服装…高校生なら制服か体育着
・爆音バイク、プ-ルへの夜間侵入…110番で対応
・カンパ、喫煙、暴力、物品売買…警察、高校へ連絡
※卒業生への指導は、卒業担当職員及び生徒指導主事が中心となって当たる。
(2014.12.19)