校長の在り方は、在職中だけでなく離任後にまで大きく影響する。したがって、校長の考えは学校経営上教職員に最初に知らせるべきであり、理解されるべきことである。校長の心構えは校長だけでなく教職員全員に必要である。
①意見を積極的に述べる職員の育成とその環境をつくる
積極的な発言を奨励すべきである。世の中には沈黙を美徳と捉えているような人も少なくはない。未曾有の教育危機にあるこの時代に、疑問を感じても黙っていて発言しないのは世の中に不誠実を働いているのと同じである。積極的に発言していくことで、職員の能力は引き出される。意見を述べたり聞く中で教育観(理念)も培われる。意見を表明できる環境は心の健康や安定に寄与することにもなり、活力あふれる職員を生み出す。したがって、たとえどんな意見でも意見は意見として尊重すべきであるし、発言したことによって発言者の不利益となるような対応は絶対にしないことである。
②ゆとりのある職場をつくる
教職員には十分な能力がある。難関な採用試験に合格してきた教職員の力に疑問との声を聞くこともあるが、私の経験では、教職員の力を引き出せない、活かしきれないがための批判が大半と感じている。目の前に横たわる障害物のために前に進めないこともある。能力を十分に発揮させるためには、障害を取り除くという観点からの実践や配慮も必要である。なかなか解決できない問題もゆとりのある職場なら程なく解決できる。
③後輩を育てる考え方を進める
学校を動かすのは若い教職員である。後輩がやりやすいようにさり気なく力を出す。仕事を押しつけない。それが年上の務めでもあり、自分を向上させていくという考えを浸透させていくことが大切である。残りの教職人生もあとわずかといった年齢に達し、自分のことが終わればそれで終わりではさびしい。
④威張ってはならない
立場や年齢が上の人に異を唱えることができる職員は少ない。また、できにくい雰囲気を教育界から払拭できたわけではない。したがって、威張ってはならない。
(2011.7.28)