「三尺下がって師の影を踏まず」などという教師と生徒の関係が、この日本にあったことなどとても信じられないような状況になっている学校も少なくないだろう。生徒が教師を敬い精一杯努力する姿が失われつつある現状を危惧し、立派な教育など望めそうにないとの指摘を耳にしたことがあるが、そんな状況の学校では全くその通りだろう。
内外教育に次のようなことが紹介されていた。中国の甘粛省の学校を訪問した時、街角に「慶祝教師節」と大書された旗が林立し砂漠をわたる風にはためいていた。訪問校の校長の説明では「文化大革命中は知識人を排斥し、教師を冷遇したが、教師を尊敬しない生徒を指導しても効果は乏しい。そのため学校は荒廃し、国の発展は阻害された。その反省から教師を尊敬する社会を回復させよう」と教師の日が設けられたと。
生徒が教師を尊敬しないのは尊敬されるような教師がいないから、で片づけられない問題があるように思う。教師と生徒が信頼関係で結ばれ誰もが夢や希望に向かって生き生きとしているような学校であれば旗はなくても大丈夫だろう。 (2011.10.13)