みんなの心に輝く学校をめざして(3)-平成20年5月1日
◇積極的な生徒指導は今日的国民的課題である
今日の青少年にまつわるさまざまな事件や問題を解決するためには、学校、家庭、地域、そして、社会全体が健全育成のために連携していく必要がある。そのために、学校の果たす役割は非常に大きい。学校が問題を抱え込み解決するのではなく、家庭や地域との連携を深めて、同一歩調で対応していく役割を担うのです。そのための専任者(=生徒指導主事)の加配は、どこの学校にも必要であり、ぜひ実現させたいものです。
◇正しい情報を発信する
マスコミの情報は、我々の認識とかけ離れたものも多い。また、どう考えても、青少年を不健全な方向へ導き、世に流されて生きることを奨励しているとしか思えないテレビやラジオの放送は、教育の荒廃を助長しているようにも思える。そして、知ってほしい教育の真実は、知る人ぞ知るで終わることも多い。正しい情報は正しい判断を促す。各種会合や文書で、学校は正しい情報の発信に努める必要がある。
◇生徒への指導内容を知らせる
家庭の協力を得るには、学校での指導内容をその都度知らせることが必要である。知らせなければ学校と家庭が共同歩調を取れない。時に学校と家庭の溝が深まることもあるが、家庭が我々と同じような情報を得ていないこと、そして、学校の指導内容を知らないからということもあります。指導内容を知らせることが大切です。
◇管理職がいないと動かない学校をつくってはならない
管理職の指示(判断)がなくては動けない学校は学校ではない。すべての教職員が、管理職との気持ちで職務を遂行することが大切である。取るに足らないようなことまで報告させ、一つ一つ管理者が指示するようでは、無責任な人間を生み出すだけだ。管理者よりはるかに有能で偉大な教職員は少なくはない。無為に過ごさせては教育界はもとより日本の損失だ。
◇支持信頼を得るのは簡単です
信頼を得るのは簡単です。「自分が得をしよう。楽をしよう。いい思いをしよう。」としないことです。自分以外がそうなるように考え、それを3年も続けていけば、誰だって尊敬まではされなくも支持されます。
◇管理(指導)の念は弱く
「他人の欠点ばかりが眼につく時は、自分が伸びていない時である。」、「他人の良い点ばかりが眼につく時は、自分が伸びている時である。」と今は亡き先輩校長よりお聞きしました。絶対にそうであると信じていましたし、そう考えることが大切とも思っています。
管理者として教職員の欠点ばかりが眼につく時がある。逆に良い点ばかり眼につく時もある。本来自分がやらねばならないことをみんながやってくれているとの気持ちでいる時は良さが見えるが、仕事ぶりに注文をつけたい気持ちでいる時は、欠点ばかりが眼についた。したがって、感謝の念は強くしても管理の念は弱くすべきである。
みんなの心に輝く学校をめざして(4)-平成20年5月12日
校長には、生徒や保護者、地域の方々の前で話をする機会が数多くあります。私は今まで出かけて行った先々で、意見を述べる機会があれば、必ず意見を述べることを自分に課していました。ですから話す機会は少なくはなかったのですが、話すことはとても苦手です。意を尽くせずに誤解を与えてしまうことが多々あるからです。
そこで、今回からは意を尽くせなかった部分を補う意味も含め、話そうとしていた内容や「心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば」かもしれませんが、その時その時の考え等をお知らせすることにします。
◇入学式(4月9日<親を尊敬する>)
「親を尊敬してほしい。世界中どこでも親は子どもにとって尊敬の対象です。愛情を注ぎ、皆さんの年まで育てるのは並大抵のことではありません。誰が考えても、それは尊敬に値することです。次に、同級生はもちろん上級生との関係も深め、一生の友達をこの西中でたくさん作ってほしいということです。そのためには、お互いに努力することが大切です。人間関係は、どちらか一方の努力だけで深まることはありません。もちろん、先生との関係も深めて、一生の師弟関係を築いてほしい」と式辞に述べました。
※親が親として存在する、それだけで尊敬に値するという認識をもたせたいものです。尊敬の念までは難しければ、せめて感謝の気持ちぐらいはもたせたい。また、人との関係を煩わしいと敬遠するような人間が、少なからず生み出されている世の中です。人との関係を大事にする人間を育てたいと思います。
◇朝会(4月16日<居心地>)
全学級が学級編成されました。どの学級も、居心地のいい学級にしてほしいと思います。学級づくりにとって、この居心地はとても重要です。皆さん一人一人が安心して登校でき、厳しいことがあっても、それはそれで、楽しいことと思えたり、目標に向かって思いっきり活動できる学級は、居心地がよくなくてはなりません。
そんな学級づくりのために、いじめが起きない学級づくりのために、先生方もがんばってくれますが、それだけでは不十分です。思いやりの心をもって友達に接したり、友達の頑張りを称えたり応援したり、規則を守ったり、我がままを抑え協力する、といった一人一人の努力も大切です。
校長の私でも、勝手なことを言ったりやったりしていれば、先生方から相手にされなくなっていきます。そして、居心地が悪くなり、ついに居場所をなくしてしまいます。
新年度が始まったばかりです。居心地のいい学級をつくってほしいと思います。できれば、自慢できるような学級にしてほしいと思います。
※諸々の会合等で、生徒一人一人の居場所が話題になることがありますが、居場所は用意されるもの、と理解されているようです。居場所は自ら確保するもの、との認識に欠けているように思います。誰かが用意するものと考えていれば、居心地が悪ければ不満ばかりです。自らの努力の部分が大きいことを考えてほしいと思っています。
(2024.12.5)