学校が行うあらゆる教育活動は教育目標の達成にあると過去のブログに書いたが、学校教育目標は、学校が教育活動を通して生徒をどのように育てるかを明らかにしたものなので当たり前である。生徒や保護者、住民の学校への期待、地域の歴史や伝統、教職員などを考慮して展開される教育活動は学校固有のものであり、したがって、教育目標も学校固有のものになる。
学校には学校教育目標の他にも多くの目標がある。どこの学校の教育概要(冊子にしていることが多い)を見ても同じようなものである。
◆学校経営計画には学校の教育目標 ◆学習指導計画では全体指導計画の目標と教科の指導計画(9教科)、国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術家庭・英語に学年ごと、あるいは分野別の目標が ◆道徳教育指導計画の目標 ◆総合的な学習の時間の指導計画の目標 ◆特別活動計画では全体計画の目標と学級活動年間計画の目標、生徒会活動年間計画の目標、学校行事年間計画の目標 ◆学年経営計画では各学年の経営目標 ◆特別支援学級経営計画の目標、◆その他の教育計画、人権教育・特別支援教育・国際理解教育・福祉教育・情報教育・環境教育・視聴覚教育・学校図書館教育・進路指導・健康安全指導・給食指導・清掃美化指導・生徒指導・部活動指導などにもそれぞれ目標がある。目標は数個の場合が多く、いくつあるのか分からないくらいである。目標も多いが、努力点や具体策はそれ以上に書き込まれている。
このような状況にあるので、学校教育目標は「譬えば北辰の、その所に居て、衆星の之に共(むか)うが如し(論語・為政篇)」(=天の北極の不動の座をめぐって、多くの星が秩序正しく運行する)のような存在と考えることもできる。したがって、教職員にとって存在感のないものであってはならないだろう。 (2021.7.13)