「親や教師の言うことはきちんと聞く」べきかどうかを中高生に調査し、国際比較でもしたらかなり悪い結果が出るのではないかと思う。ついでに家族を大切に思っているかの調査をしたら、これまた悪い結果が出るのではないかと思う。家庭内の悲惨な事件や対教師暴力などが報じられる現状からすれば調査など必要ないかもしれない。
学校が親や家族のことで生徒を指導することはほとんどない。無責任や不作法、思いやりのない行動を厳しく指導することはあっても、親の言うことを聞き家族を大切にするとの意図をもった指導(道徳の授業を除く)はその機会が少ないようである。
足利市の中学生訪米団としての訪米や何回かの訪台で、アメリカ人や台湾人が家族をとても大切にしているのを実感した。韓国人に日本の現状などで話を向けると、「わが国はそんな(親や教師の言うことを聞かない、家族を大切にしない子どもができるような)教育はしていない」と一蹴されたとのことである。教育の基本は家庭であり、家庭教育のあり方が問われるようになってきたが、学校もこの点を十分に踏まえた教育が必要だろう。
家庭でも、学習や生活といったことの他に教師の言うことはきちんと聞き敬うような働きかけが特に必要な時代になったと思う。この国の行く末を案ずる声も多くなっているが、教育でしか解決の道はないと考えている。 (2013.3.5)