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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇昔過を思うことなかれ!

 戦後の日本人は自己責任の意識がどんどん希薄になり、政治が悪い、社会が悪いと他人のせいにする人が少なくないと述べている人がいるが、現職中、責任転嫁をするような生徒もいたが、上手に生きられない自分を責め立て自信を無くす生徒がいたことを思うと、適切な指摘なのかと思う。

 過ぎてしまったこと、自分の力ではどうにもならないことで悩んではいけないのだが、それが難しい。大隈重信の母親は、子どもたちに「過ぎたことをくよくよ振り返ってはいけない」と教えた。吉田松陰は弟子に「昔過(せっか)を思うなかれ、…」との手紙を送ったのだそうだが、悩み苦しむ生徒は励まし元気にさせたいものだ。

 全国に教職員が92万人いるが、精神疾患による休職者(毎年5000人超)精神疾患による1カ月以上の病気休暇取得者を合せると1%を超える人数になる。心身ともに疲れ切ってしまう教育環境を改善しなければならないし過ぎ去ったことで悩むことがないよう願う。

 先週、小学校の運動会を見る機会があった。コロナ前のように昼食を家族ごとに、人数も制限がなかったので賑わいを感じさせたが、以前のような運動会は何年振りかなので、不慣れ、あるいは練習不足があったのかもしれない。いくつかがっかりしたことがあった。特に開会式の国旗掲揚には疑問を感じた。

 児童は起立していたが帽子は被ったままだった。応援の家族は帽子を被ったまま椅子に座っている状況だった。冬季オリンピックの表彰式で国歌演奏中帽子を取らなかった金メダリストが大いに批判されたことがあった。サッカーの岡野俊一郎(故人、元日本サッカー協会会長)さんは、サッカーの試合で国歌が演奏されているのに気づかず座ったまま仕事を続けていると激しいブーイングを浴びた。起立すると収まったと述べている。

 戦後生まれの人間だが、戦前の映像を見れば明らかに戦後は異常と分かる。冒頭のような人間が増えて自己責任の意識が薄れ、他人のせいにする人間が増えているとの認識は確かなことなのかもしれない。  (2024.5.22)