教育界ほど改革に消極的なところはないと感じている。民間会社なら、改革をためらっているようでは業績を上げることができないばかりか、倒産の憂き目にあうことだってある。それがないせいだろうか、突出を避け横並びを志向する習性が染みついてしまったかのようである。
佐藤栄作総理大臣(故人、ノーベル平和賞受賞)は、首相就任の心境を「啄木鳥(きつつき)が餌を求めて木の天辺(てっぺん)まで登ってきた。しかし、そこには何もなかった」と報道陣に語った。首相になっても大きく変わるほどのものはない。地位や権限が与えられても、その意志がなければ何もできないということを教えてくれたように思っている。
創造を語り、勇気や思いやりを語り、自己主張を勧めたりと、人を育てる立場の我々が正義感や勇気をもって主張すべきことは主張し、行動できなくてはいけないだろう。まずは教職員が範を示すべきではないかと思う。 (2012.4.23)