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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇家族を落胆させない対応になった

 2月の上旬には公立高校の入試がある。現職の頃の2月入試は推薦入試だったが、今は(平成26年度の入学者から)特色選抜になり学校の推薦書は不要になった。

 中学校の推薦書が必要だった推薦入試では、成績や人間性など、希望者のかなり厳しい校内選考が行われていた。推薦入試を受ける生徒は内定を得られなかったとしても一般入試に挑めるメリットがあり、また、学校推薦は誇らしいことでもあったので、「お陰様で学校から推薦をいただいた」と祖父母や知り合いに話している保護者もいた。

 学校に願書が提出される前のことだったので1月の頃だったか、校内推薦が決定していた生徒の問題行動が明らかになった。学年職員(調査書作成委員になっている)は腹を立てていたようで推薦取り消しの考えを固めた。

 しかし、私はそれを認めなかった。それに納得できなかった学年職員(その他の調査書作成委員も)は校長の考えを聞きたいと校長室に押し掛けた。どの顔にも不満ありの様子が見て取れた。

 「通常なら取り消しだろう。しかし、そういう方法は取らない。取り返しのつかないことをした訳ではない」、「取り消したら家族を大いに悲しませることになる」、「推薦されるような生徒なら指導を素直に受け入れるはずだ」、「指導を受け入れないなら、そんな生徒を学年として推薦したのか」などと考えを述べた。

 この生徒は推薦で内定をいただくことができた。担任はこの件で保護者との関係を壊すこともなく、むしろ信頼関係が深まったようで、推薦を取り消さなくてよかったと述懐していた。懲罰のような対応を取らなくてよかったと改めて思ったのだった。  (2022.1.14)