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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇精神を病むのも当然だ

 教員の精神疾患による休職者の増加は、本人の資質の問題ではなく過酷な教育現場に起因すると考えている。下記の調査は、精神疾患による休職者である。昭和56年度に小学校、57年度に中学校、58年度に高校で完全実施となった学習指導要領の改訂では、休職者が特に増えているように思えないが、平成4・5・6年度の実施後は徐々に増え、平成14年度の小・中学校、15年度の高校での実施後は極端に増えている。

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昭和54年度(1979)  664人 平成11年度(1999) 1924人
昭和55年度(1980)  783人 平成12年度(2000) 2262人
昭和56年度(1981)小 821人 平成13年度(2001) 2503人
昭和57年度(1982)中1001人 平成14年度(2002) 2687人
昭和58年度(1983)高 961人 平成15年度(2003) 3194人
昭和59年度(1984)  984人 平成16年度(2004) 3559人
昭和60年度(1985)  986人 平成17年度(2005) 4178人
昭和61年度(1986) 1078人 平成18年度(2006) 4675人
昭和62年度(1987) 1055人 平成19年度(2007) 4995人
昭和63年度(1988) 1090人 平成20年度(2008) 5400人

平成 元年度(1989) 1037人 平成21年度(2009) 5458人
平成 2年度(1990) 1017人 平成22年度(2010) 5407人
平成 3年度(1991) 1129人 平成23年度(2011)小5274人
平成 4年度(1992)小1111人 平成24年度(2012)中4960人
平成 5年度(1993)中1113人 平成25年度(2013)高5079人
平成 6年度(1994)高1188人 平成26年度(2014) 5045人
平成 7年度(1995) 1240人 平成27年度(2015) 5009人
平成 8年度(1996) 1385人 平成28年度(2016) 4891人
平成 9年度(1997) 1609人 平成29年度(2017) 5077人
平成10年度(1998) 1715人 平成30年度(2018) 5212人

令和 元年度(2019) 5478人
令和 2年度(2020)小5203人
令和 3年度(2021)中5897人
令和 4年度(2022)高6539人
令和 5年度(2023)

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 平成4年度からは、新学力観の導入、基礎基本の重視、個性を生かす教育、授業時数の弾力的運用、選択履修幅の拡大(持ち時数が増加)、習熟度別指導の導入、学校週5日制の開始(第2土から始まり、その後第4土も。授業は他の曜日に振り分けるため6時間授業の日が増えた)などがあり煩雑さが増した。

 平成14年度からは、生きる力の育成、学習内容の削減、完全学校週5日制の実施、授業時数の削減(1050から980になり、少なくとも10週・10週・15週の3期に分けないと時間割が組めなくなった)、選択学習幅の拡大、総合的な学習の時間の新設、そして、何よりも問題と感じたのが絶対評価の導入である。

 以前のブログで、教師の過重な負担は未だ納得の評価ができないばかりか教師の活力を奪う結果になったと書いたが、活力を奪っただけでなく精神を病ませる結果にもなった。誰がこんな馬鹿げたことを考え出したのか顔が見たいという気持ちである。

 (2021.9.17)