教員採用試験の競争率が年々下がっていることを過去のブログで取り上げたが、教員志望者減は相当なもので、産休や育休、休職の補充がいつになってもできなくて困っている現場は少なくないようだ。
母校の剣道部に入部した国体選手(少年の部)が何人もいたが、卒業後は体育の教師として期待され本人もそのつもりだったのに多くが教師になっていない。他大学にも武道学科を卒業し誰もが教師になると思っていたのに他の職に就いた例は少なくない。
体育教師は運動会や長距離走大会、市や県の駅伝競走大会、新体力テストなどの体育的行事を教職員の中心となって企画運営しなければならない。授業は保健体育科(1教科)としての扱いだが、内容は体育分野と保健分野に分かれている。体育分野には体つくり運動、器械運動、陸上競技、水泳、球技、武道、ダンス、体育理論があり、ラインを引いたり用具を揃えたりなど、毎時間の授業準備に時間もかかり体育分野だけでも教科として十分であるように思うが、保健分野まであり実質は保健と体育の2教科を担当しているようなものである。
授業は通常クラス単位ではなく男女別なので、保護者の授業参観には担任の授業をとなると道徳か学活しかなくなる。雨や強風などでグランドが使用できなくなり、体育館の使用もできなければ内容を変更することになるが、そういった対応も素早くできなくてはならない。
講師を経験し警察官や役所の職員として働いている後輩は、教師よりも今の方がはるかにいいと話していたが、生徒指導や保護者対応でも問題を抱え、負担が重くのしかかる現場を知れば知るほど教師への思いに見切りをつけてしまうのだろう。学校をよくしたいならいい体育の教師を呼べと言われていた時代もあったが、今は体育教師の人気がなくなっているのかもしれない。教育の現場はどこも働きやすく夢破れるような職場であってはならない。 (2021.7.1)