平成28年3月(2016年)で廃校になった中学校に2年間勤務したことがある。その学校の教育目標は、望む生徒像を箇条書きしたものだった。
・心身ともに健康な生徒
・自ら考え想像力を高める生徒
・広い心で協調できる生徒
・根気強く努力する生徒
何人かの教職員に教育目標を確認すると誰も覚えていなかった。教職員の目標になってないことが分かったのである。そこで教育目標を変更することにした。留意したことは覚えやすく分かりやすいこと、そして、生徒にも目標と受け止めてもらえるものにすることだった。教育目標は、
「智(ち) 恕(じよ) 健(けん)」
と決定した。多少時間はかかったが、全職員が取り組んでできた目標なので満足感があった。物事の道理を知り正しく判断できる力を培うこと、相手を思いやる心寛容な心を培うこと、健康でたくましい心身を培うといったことが目標で生徒にも十分理解できるものだった。
教育目標が何十年も変わらないと、変更などしてはならないものという気持ちになるのかもしれないが、教職員や生徒の目標になっていない状況があれば、躊躇せずに変更すべきだろう。やってはいけないことは、ある日突然、教職員がかかわることもなく管理職が変更してしまうことである。 (2021.6.22)