校長が生徒に話をする機会は少なくない。修学旅行、遠足、林間学校、マイチャレンジ、合唱コンクール、体育祭、部活動激励会などでの挨拶や講評は相当な数になるが、前もって準備しその場の思いつきで話すようなことはしなかった。
初任から数えると15人の校長の挨拶や訓話を聞かせてもらったが、ほとんどの方がしっかり準備をして生徒の前に立っていたが、中にはそうでない方もいた。朝の新聞記事からの場当たり的な話では生徒の心に響かない。
校長講話を設定した学校集会(月曜日の帰りの会後に体育館で実施)、始業式、終業式、修業式は最も校長としての思いを話せる時間だった。
長い話は生徒だけでなく大人だって嫌いである。原稿などを見ずに生徒の顔を見て話す。長くても3分、それ以上にならないよう心がけたせいか、ほとんどの生徒が顔を上げて聞いてくれたように思う。
集会後に体育館の出口に立って生徒を見送っていると、「校長先生、今日もいいお話をありがとうございます」と毎回声をかけてくれた男子生徒、「校長先生が話されたこと、私やっています」と話した女子生徒などに、改めて話は短くの重要さを感じたのだった。 (2020.3.29)