習近平主席を国賓として迎えることに多くの国民が反対しているが、安倍総理に撤回の意思はなさそうである。南シナ海での不法行為、尖閣諸島への領海侵犯、ウイグル人弾圧、日本人に対する不可解な身柄拘束、新型コロナウイルスの感染拡大などを思うと国賓として相応しいとは思えない。
国賓として迎えたら、今や世界にとって脅威となっている中国の無法な振る舞いを日本は容認すると宣言したようなもので、総理だけでなく国家としての信頼を国際社会で失うだろう。
総理は利ではなく義に喩(さと)る人間と考えられているから支持され応援されるのである。主席を国賓として迎える理由はいったい何なのだろう。
外交、経済対策、安全保障法制、働き方改革など、今までの実績を支持者は認めている。憲法、拉致、北方領土など、今後も安倍総理に期待するとの熱い思いも国賓待遇によってすっかり冷めてしまうかもしれない。
内閣の支持率が急落(支持36.2%、不支持46.7%、2月24日、産経新聞)したのは、今まで何があっても総理を支持してきた人たちが失望し憲法改正などの懸案事項も総理には無理だろう、そして、もう安倍総理でなくてもいいと考え出しているからではなかろうか。 (2020.2.28)