台湾へ行ったり迎えたりして交流を深めている台湾人が何人もいるが、彼らは律儀で親日的である。義理とか人情といったものは古い時代の遺物のように言う人がいるが、義理人情にしばられない人が多くなっているのかもしれない。私の周りには日本が失いつつある美徳が台湾にはあると話す人が何人もいる。
修学旅行地を台湾にしている市内の高校は台湾人との交流も組み込んでいるとのことで、後輩たちにお土産を配りながら楽しそうに話している姿を見ていると、台湾はいいだろうと声をかけたくなる。
義理を欠けば人との関係が深まらないだけでなく信用を失って、やがて相手にされなくなることもあるだろう。あの先生にはお礼を言わずに卒業してしまった、あの方にお礼をしなかったなど、今までの不義理を思い出すと情けない気持ちになる。
お礼をするのは相応の年齢になってからでいいが、お礼を言うのは誰だってできる。お礼を言わずに去っていくようでは人を利用したとしか思われない。日本人本来の姿を取り戻すには、当たり前の小さな心がけが大事だろう。 (2020.2.10)