令和元年10月24日の「朝晴れエッセー(産経新聞)」に、元大統領の伝言と題した21歳の女子学生(立命館大学)の文章が掲載されていた。
この学生はメキシコに留学中、世界一貧乏な大統領と呼ばれたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領についての逸話を級友から聞いて興味が湧き、過去の演説や著書に触れていく中でひきつけられ会いたくなったのだそうだ。
そしてこの夏、元大統領に会うためウルグアイの首都モンテビデオでバスに乗った。さまざまな人に助けられながら無事辿り着き、心臓が喉から飛び出るような思いで来意を告げると、倉庫のような質素な建物に招き入れてくれた。
会いたくても簡単に会えるわけではないので諦めていたが、会って話を聞くことができたのは、「会いたいなら会いに行きなさい。」と父親が背中を押してくれたからだった。
元大統領は日本の若者へ「学校は就職のために行く場所ではない。幸せになる方法をトレーニングする場所だ。素晴らしい人生とは『生きる理由』を持ち続けることだ」との伝言を託したのだそうだ。このことを伝えるために学生は投稿したのである。
子や孫、家族、世の中のために元気に生きる高齢者には生きる理由をしっかりもっていると感じることが多い。元大統領の伝言は若者だけでなく多くの人へのエールのようにも感じる。 (2019.11.15)