第2次安倍内閣が発足した当初は、崖っぷちに立たされたこの国を救うのは安倍政権であり、ダメだったらこの国は終わりとの危機感があってか閣僚などの人事は適材適所、実力者が登用されたように思う。
しかし、現在は第1次安倍内閣に近い状況を感じる。特に稲田大臣には呆れてしまった。参議院予算委員会(平成29年7月25日)で、「防衛省をしっかりと統制できていると思うか」と問われ、しっかりとした統制は信頼関係がなければできないことなので、信頼関係への言及があるかと思ったが全くなかった。「…批判は批判として受け止めつつ、これからもしっかりとやるべきこと為すべきことをやってまいりたい…云々」の答弁になったのは信頼関係がないからだろう。防衛省・自衛隊からは全幅の信頼とまではいかないまでもある程度の信頼は得られており、職責を果たす上で支障はないくらいの答弁ができる大臣であってほしいものだ。
また、国会質疑の不安そうな顔もよくない。防衛大臣なのだから、プロ集団である部下たちを安心させ、国家国民を守り抜くとの信念と覚悟をもって質疑に臨むべきだろう。
人の上に立つ人間は部下職員のためも考えて行動すべきである。私心を去り、いい思いや得をするのは自分以外と考えて行動すれば誰だって信頼されるようになる。暴言や暴行を繰り返し君臨するような人間が信頼されることはない。
憲法改正を控えメディアや野党などの政府攻撃は激しさを増すだろう。内閣の支持率を回復し困難に立ち向かうためには、国民の期待に応えられる実力者を多数揃えた派閥にとらわれない人事が重要だろう。8月3日の内閣改造に期待したいものである。 (2017.7.27)