連日のように報じられる事件には辟易する。乳幼児の虐待や殺害、死体損壊遺棄、妻、親、祖父母の殺傷など、衝撃的な事件ばかりである。
たくさんの事件の中で特に強い憤りを感じるは、抵抗すらできない乳幼児や集団でのむごい仕打ちなど、卑怯極まりない犯罪である。極刑で報いるべきだろう。
加害者は未成年や高齢者など様々だ。職業については定職に就いている者もいるが、ほとんどは職業不詳、自称自営業、無職などと報じられ定職がない。
孟子は、恒産(一定の資産や安定した職業)がなくても恒心(常に変わらぬ正しい心)をもっていられるのは士(学問修業をした立派な人)だけであり、一般の人々は恒産がなければ恒心をもつことができない。勝手気ままに悪い行為をしてしまうと言ったが、そういうことなのだろう。
孟子曰く、「恒産無くして恒心有る者は、惟(た)だ士のみ能(よ)くするを為す。民の若(ごと)きは則ち恒産無ければ、因(よ)りて恒心なし。苟(いやしく)も恒心無ければ、放辟(ほうへき)邪侈(じゃし)、為さざる無きのみ。」
日本は未だ長い不況から抜け出ていない。雇用は改善してるとは聞いても、非正規職員では安定した職業とは言えないだろう。正規雇用を増やしている企業を減税するなどして応援したいものである。かつては終身雇用社会だった日本を壊したのは大きな間違いと今更ながら感じるのである。 (2016.4.19)