ある中学校の美術部員20数名が、3学期の日曜日、美術研修のため上野の博物館に出かけた時のことである。部員の乗車マナーが素晴らしく、引率の先生はとても感心してその様子を教職員に話した。
電車が混んでくると、2年生が下級生に声をかけ率先して立ち出したのである。また、「声をもっと小さくしよう、静かにしよう」と声をかけ合い、静かに話したというのである。人員の確認や料金の精算も素早く、班単位でまとまり、手がかからなかったということだった。
ドイツで長いこと生活した方によると、ドイツでは列車の中で子どもが座らずにいる光景が見られるとのことである。親は「子どもは立っていなさい」と指導するのだそうだ。
我先に列車に飛び乗り、席を探して子どもを座らせるという光景を日本では時々見かける。列車の混雑状況や国民性も違うので、善し悪しやどちらが成熟した社会かなどを一概に論じることはできないが、参考になる話ではある。
駅や列車の中で騒いだり、ゴミを散らかしたり、公共物への落書きなど、迷惑行為を数え上げればきりがない。他人の迷惑に気づかず不注意ということもあるかもしれないが、出かける時は「公衆道徳」も忘れずに連れていってほしいものだ。 (2015.1.23)