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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇今が一番強い

 平成26年度の全日本選手権優勝者は、筑波大学3年の竹ノ内佑也(4段)選手である。学生の日本一は、国士舘大学の川添選手以来で、43年ぶり史上最年少での優勝だった。

 今回出場の64名の選手は、4段が15名、5段25名、6段22名、7段2名だった。本年度までの優勝者(1957年以降)の段位は、4段が3回、5段が13回、6段が29回、7段が13回である。年代別に見ると、20代の優勝が22回、30代が32回、40代が4回で、最年長優勝者は45歳である。

 このような状況があるからなのかもしれないが、剣道をやったことがなければ、50代、あるいは、それ以上になったら、もう強くはないだろうと考える人も少なくない。高段といっても、それは実力で昇段したのではなく、剣道の経験年数や貢献度などによって昇段した名誉段と考えている人もいるのである。

 小学生から剣道を始め、高校や大学、そして、社会人になってからも国体などで活躍し、現在8段になっている先生の体験談(30代の頃)をお聞きしたことがある。70代の先生に稽古をお願いしたが、全く歯が立たなかったのだそうだ。「あんなに打たれるとは思わなかった」と当時話してくれたのである。

 週2回程通っている武徳殿の70代の先生(7段)には、10代から70代まで、多くの人が稽古をお願いしているが、どうしてこんなに差があるのだろうと感じるくらいに実力差は歴然とし、武徳殿で一番強いのである。週3回程通い、弟子入りさせていただいている館長先生(8段)は、間もなく70になる。国体や選手権などに出場している多くの弟子や来館者が稽古をつけてもらっているが、ほとんどが軽く打たれてしまうのである。

 剣道の試合は放映されても、稽古風景は放映されないので、こんな稽古場の様子をほとんどの人が知らない。是非多くの人に知ってほしいものである。今の自分に昔の自分がかかってきても、勝てないだろうと考えている人は少なくない。剣道人生で一番強いのは今であり、また、そうでなければならないと稽古しているのである。 (2014.11.9)