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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇生徒指導(7)…万引き防止指導

 万引き防止のため、中学校では万引きが起きないような学校であっても、毎年指導しているのではなかろうか。多くの学校は長期休業前の指導になっているように思う。

 万引きは商店からの通報だけでなく、生徒からの情報で発覚することも多い。その情報を基にとりかかると、誰からの情報かが分かってしまうような場合には静観するのである。万引きは見つかる(捕まる)まで続くので、噂が広まり誰からの情報か分からなくなるまでそれ程時間はかからない。

 大事なのはしっかり調べることであり、複数ならば複数に別れて、いつ・どこで・誰と・何を・どのようにして盗ったのか、そして、その品物は今どこにあるのかなど徹底的に調べるのである。適当に終わらせると指導も中途半端なものになってしまう。

 全容が明らかになったらどのように対処し解決していくかを確認し、その後の指導を進めるのだが、以下のようなこと(◆印)は、どこの学校でも留意していることだろう。

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◆万引きに限らないが、悪行の事実を保護者に知らせるのは生徒本人にさせ、その後に学校と保護者が連絡を取り合うようにする。いきなり学校からでは保護者の衝撃も大きい。生徒にはそれを自分がしたことに責任をとる第一歩にさせる。

◆生徒、保護者、学校(生徒指導主事や担任など)三者で行う指導の会では、自らの行いで保護者に迷惑をかけた(悲しい思いをさせた)ことを生徒には厳しく責めても、保護者は責めないようにする。そんな行いをさせようと育ててきたのではないのであり、逆の立場を考えるのである。どんなに厳しいことを言っても保護者は我慢するに違いないが、そんなことをすれば、やがて学校の味方、協力者がいなくなる。保護者が学校の処置は温かかった、ありがたかったという思いになるような指導の会にする。

◆商店への謝罪には、「お前がやったんだからお前が行け」と、自分は行かないと言い張る保護者がいたら、保護者が行って謝罪することが子どもに二度と万引きしない気持ちをもたせることになると説得する。500円の品物のために、往復500㎞の道のりを子供と一緒に出向いた父親がいたが、子どもは二度と万引きをしないだろう。商店には保護者と生徒で行かせ職員は同行しない。同行している姿を見かければ、万引きではないかとかんぐる人もいる。学校と商店は事前事後に連絡を取り合うようにする。

◆品物は買い取るようにする。その品物は目の前で処分(ハサミを入れたり、焼き捨てたり)するなど、とにかく子どもに渡さないようにする。

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 「しばしばデパ-トや商店に出かけていた。買い与えない物が増えた。聞けば誰かにもらったと詳しいことを話さない」など、子どもの様子を不審に思ってもまさか万引きだとは思わないので、そのままにしてしまうこともある。このような場合には、万引きの可能性があることを知らせておくことも必要だろう。

 何でもそうだが、万引きも早期発見は重要である。遅れると蔓延してしまうことにもなる。万引きした生徒、万引きを頼んだ生徒、万引きした品物と知りながらもらった生徒など、合わせると数十名になってしまうことさえある。

 万引きされると困るから小遣いを十分に与えていると話した保護者がいたが、万引きした生徒の財布に多額の現金が入っていたケ-スは稀ではない。要するに、万引き防止は誰がやっても自分はやらないという強い気持ちを育てていくことが大切だ。

 自分はやっちゃうかもしれない、と自分に自信がもてない生徒にはデパートなどに行かないよう指導すべきだろう。買い物を楽しむことができるのは、万引きを絶対しないという自信のある人だけである。 (2014.3.31)