競争の激しい社会を生き抜くために創造性に富む人間が特に必要になったのか、それとも創造性を欠く人間が多くなったからなのか、創造性を培い創造的な人間を育むことの重要性がしばしば語られた時期があった。しかし、創造性を培うにはどうしたらいいか、創造的な人間はどのように育まれるかといったことは語られなかったように思う。
--創造的な仕事をした人たちは--
・発明王エジソンは「天才とは1%の霊感と99%の汗である」と言った。
・ミケランジェロは「石の中に閉じこめられている。救い出さねば」とダビデを彫った。
・湯川秀樹の中間子理論は、枕元で思いついたことだった。(毎晩同じことを考えていた。)
・ニュートンは、リンゴが落ちるのを見て万有引力を発見したとのことであった。
・キュリー夫人は、0.1グラムのラジウムを抽出するのに、8トンの鉱石と8年の歳月を必要としたのだった。
・野口英世は、24時間仕事男と言われ、目的のために最後までやりぬく精神力はけたはずれなものだった。
・メンデルの法則は、8年間のエンドウの交配実験と統計処理という気の遠くなるような超人的な努力と執念が生み出したものだった。
(「心にしみる天才の逸話(山田大隆著)」他より)
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創造的な仕事を成し遂げるには、ある種のひらめきと、けたはずれの努力が必要である。ひらめきは誰にもあるわけではなく、一途に努力している人にのみあるようで、成就させるためには高度な知識や技能も必要ということだろう。
このように考えてみると、創造的な人間は諸々の真新しい教育活動によって育まれるというものでもなさそうだ。よく学んで力を蓄え、粘り強く努力するひたむきさや活力のある生徒の育成によって叶えられるのだろう。 (2013.6.17)