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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇逆らって生きることも

 私は30年程前に年賀状を廃止した。それを知らずに年賀状を送ってくれる人には、申し訳ないとは思いつつもほとんど書かない。大病を患ったとか、結婚したとか、就職ができたといった特別の場合などに何通か書くぐらいである。

 年賀状くらいでも世の中に逆らって生きるのは楽ではない。したがって、世に阿(おもね)ることなく、時には闘いを挑むような生き方はとても厳しいことなのかもしれない。しかし、凶悪な犯罪などが連日のように報じられるこの国を立て直すには、教育が担わなければならないことも多く、この厳しい道も歩まなくてはならない。

 「1年を考えるなら田を耕せ、10年を考えるなら木を植えろ、100年を考えるなら人を育てろ」と言われるのだから、教育の有り様は国の命運を左右すると考えるべきである。「沈黙は金、雄弁は銀」との言葉は、本来沈黙より雄弁を評価する言葉(西洋)として使われたとのことである。「直訴はご法度」の時代はとうに終っている。改革のために和が乱れることもあるだろう。和を大切に思う心は尊いと思うが、「和を以て貴しと為し…」で始まる憲法をつくった聖徳太子は大改革を行った。

 指導要領の改定の度に示された数々の教育改革も、何ら成果を上げることなく、次の改定で見直されることになるのは、現場との十分な調整の上に(現場の意見を十分に反映させて)なされたものではない上意下達の改革であることの証明だろう。問題は現場から見えてくると言われるが、その通りである。現場視点での改革は非常に重要である。

 子どもを健全に育てるために、教育界は世の流れに逆らってでもやらなければならないことがある。黙っていたのでは、世に阿る教育界と言われる日が来ないとも限らない。  (2013.1.6)