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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇こんな報道には傷つく人もいるだろう

 東京杉並区のアパートで保育士さんが殺害された事件(平成30年3月26日)を、28日のTBS「Nスタ」は「照井さんはなぜ殺されなければならなかったのか」とのナレーションを入れて概要を報じた。

 犯人はまだ逮捕されていない時点での報道であり、なぜ殺されたかなど全く分からないはずなので、「なぜ殺されなければならなかったのか」はあまりにも不適切である。被害者に殺される理由があるなどとは微塵も考えてなかったとしても、被害者には何らかの落ち度があったとの予断をもたせることにもなりかねない。

 報じ方によっては遺族や関係者を傷つけてしまうことになる。殺されなければならない人なんて死刑囚以外にはない。

 滋賀県大津市で車2台が衝突し、1台が弾みで信号待ちをしていた保育園児(13人)と保育士(3人)の列に突っ込み、保育園児2人が亡くなる事故(令和元年5月8日)が発生した。

 Nスタは「この事故はなぜ起きたのか」ではなく、「園児たちはなぜこのような事故に遭わなくてはならなかったのか」とのナレーションを入れて事故を報じた。

 ナレーターは園児たちに何の落ち度もなかったことを強調したかったのかもしれないが、2人の命が失われ、1人の園児は意識不明の重体、13人の園児保育士が重軽傷を負った事故は遭わなくてはならなかったことではない。違和感を感じた人もいただろう。

 この度の事故で犠牲になった保護者や家族の気持ちを思うとかける言葉すら見当たらない。あまりの痛ましさに涙するばかりだろう。悲しんでいる人たちの気持ちを考えて報道すべきである。  (2019.5.10)