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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇危険予知の目が曇っていたら

 平成29年6月18日朝に発生した地震大阪北部地震で、登校中の小学校4年の女子児童が倒れてきたブロック塀の下敷きになり死亡した。ブロック塀は女子児童が通っていた高槻市立寿栄小学校に設置されていたもので、基礎部分(1.9m)にブロックを積み上げ、高さは3.5mもあった。

 建築基準法は昭和53年の宮城県沖地震でブロック塀の下敷きになり18人が犠牲になった事故を機に改正され、塀の高さの上限が3mから2.2mに、1.2mを超える場合は適当な間隔(3~4m)で控え壁の設置を義務づけている。ブロック塀については外部からの指摘もあり、寿栄小学校はその危険性を指摘したが、市教委は検査を実施し安全と判断した。法に則した塀ではなかったにもかかわらずである。

 学校の施設や設備は定期的に点検が行われる。点検は市教委に依頼された業者によるものがほとんどで、現職の頃何度も立ち会ったことがある。生徒の命の危険があるものについては改修を強く要望し、改修せずに事故が起きてしまったらその責任は学校ではなく市教委にあるとまで言ったことがあったが、そういう箇所は点検後すぐに改修工事が行われた。

 平成24年12月2日、中央自動車道笹子トンネルの天井板が落下する事故が起き9人が亡くなった。年に1度の定期点検、5年に1度の詳細点検が行われていたということだが、あまりにも杜撰な点検だったことが明らかにされた。ブロック塀が安全との市教委の判断はどのような検査によって導かれたのだろう。

 学校では毎月、点検表「過去ブロ(避難訓練でも分かる学校の状態)」に記された内容の安全点検を教職員が行っている。それぞれの担当者が責任をもって点検し事故防止に努めているのである。漫然とやっているようでは危険予知の目は曇ってしまうだろう。   (2018.7.23)