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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇いじめ(5)…いじめ調査を公表する

 平成28年12月、3件のいじめに関する記事を目にした。平成27年7月に自殺した岩手県矢巾北中2年の村松亮君(13歳)のことでは、第三者委員会が学校の対応が不適切と町教育委員会に報告書を提出したとのことだった。委員長は、学校はトラブルの度に対応してきたと言うが、教員全体での情報共有が不十分だった。いじめは担任一人では背負いきれない。学校全体や家庭で情報を共有し対策を取るべきだったと指摘したそうだ。

 平成28年8月に自殺した青森市の浪岡中2年の葛西りまさん(13歳)のことでは、捜査関係者が同級生100人以上から聞き取りをし、侮辱などに該当する行為をした生徒数人を児童相談所に通告したとのことだった。生徒は14歳未満のため刑罰は科されない。

 平成24年1月、同級生3人から殴る蹴るの暴行を受けて心配停止になり、現在も寝たきりになってい埼玉県川越市の19歳の少年(当時中学2年)のことでは、市と少年らに1億4800万円の支払い命令が出された。同級生3人は少年院に送致されたとのことだが、教員らは暴力を伴う事件にまで発展し生命と身体に危険が及ぶ状態を予見できたのに放置したのだそうだ。

 いじめ事件が度々報じられるようになってからもう何十年も経つ。学校のあり方が常に問われるが、過去の被害者の悲痛な訴えは少なくともこれらの学校には届かなかったようだ。

 学校では毎年いじめの調査を実施し教育委員会に報告している。そして、市や県など自治体ごとに、あるいは国としてまとめて公表されることになるが、自校の結果を保護者に公表する学校はほとんどない。ホームページへの掲載も見たことがない。

 子どもが通う学校の調査なら、身近な問題として保護者も受け止めるだろう。学校も校長以下教職員が一丸となって取り組まなければならないだろう。報じられたような対応をしていたら批判が殺到することになる。過去のブログ「いじめ(4)」で掲載したが、調査結果を学校は公表すべきだろう。 (2017.1.24)