大都市のことはよく分からないが、地方では登下校や部活動などの移動手段に自転車を利用することが多く、ヘルメットの着用を義務づけている。何十年の歴史があるのでヘルメットの有用性に疑問をもつ人はいない。
車に撥ね飛ばされ、見ていた人が命はないなと感じた事故だったが、ヘルメットを着用していたためにかすり傷で済んだ例もあるが、着用していたならと感じた重大事故もある。
夏季になると、ヘルメット着用は生徒にとって特におっくうなのかもしれない。顎紐をゆるめ、あるいは前かごにヘルメットを入れ自転車に乗る生徒を見かけることも少なくない。
保護者から、「登下校や部活動ではヘルメットを被るよう生徒に指導するのに、なぜその他の時は指導しないのですか」と聞かれたことがあった。学校も実はそうしたいが、「登下校や部活動ですらきちんと(全員に顎紐までしっかりしめさせる)ヘルメットを被らせることができないのにその他の時までできない。教職員には精神的にも身体的にもその余力はない」ので、家庭でやっていただくしかないと答えたのである。
学校から年々余裕がなくなり家庭の期待に応えられないことも多い。学校が多くを指導できないなら家庭の力を引き出すしかない。今までもこれからも学校はそのための工夫が必要である。 (2016.4.26)