中学校の修学旅行や林間学校などでは、1つの旅館(ホテル)に1つの学校が宿泊することになる。A館とB館に別れるなどして、自由に行き来ができないような旅館なら2校が宿泊することもある。
一般客がいても特に問題はないが、一般客は非常に少なかった。大勢の中学生が宿泊していれば静謐な雰囲気が失われることもあり、旅館側がそのことをお客さんに伝え、了解の上で泊まってもらうようにしていたからだろう。
旅館内で他校生と接触できないようにするのはトラブルを心配するからである。京都市内の見学地で、目が合っただけでイチャモンをつけられ、蹴られた生徒がいたが、そんな嫌な思いをさせてはならない。楽しい思いをたくさん味わって帰宅させたいのである。
また、1部屋に4人も5人も泊まることになれば、通常部屋のトイレは1つしかないので、朝食後出発までにトイレを済ませない生徒が出る。
出発までにトイレを済ますことができる余裕のある日程でなければならないが、1校1館はこういうことに強みを発揮する。館内の客室以外のトイレなら、どこを使ってもいい、落ち着ける場所で時間を気にせずトイレを済ますよう生徒に指導したのである。
生徒も教師も心穏やかに気持ちよく過ごすことができれば、生徒はもちろん、教師と生徒の関係も一層深まるだろう。 (2015.5.19)