審判に出かける時には「剣道試合・審判規則及び細則」だけでなく、「剣道試合・審判運営要領」も確認する。また、「剣道試合・審判・運営要領の手引き」の確認も大事である。
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剣道試合・審判運営要領
※下線 は、「剣道試合・審判規則の改正と運用上の要点(平成11年4月1日)」として記載されていたことである。
(入場等)
1 試合者は、入退場の際、選手席に整列し、監督の指示で(① )に礼をした後、着座または退場する。
審判員が入退場する場合、(② )を中央に審判旗を(③ )に持ち、境界線内側中央に整列する。(審判員の移動・交替要領 第1図・第6図)
(整列、試合開始前の審判員の移動および旗の保持)
2 団体試合の場合、(① ・ )は剣道具をつけ、竹刀を持って、立礼の位置「開始線の手前(② )歩」に整列し、主審の「礼」の号令により相互の礼を行う。(団体試合の整列方法 第1図)
引き続き次の試合が行われる場合、試合場内に2チーム1列で並ぶ。ただし、2チーム1列で並べない場合は、この限りではない。(団体試合の整列方法 第1図・第2図)
審判員の移動は、個人試合(第1試合)の場合、整列後、定位置へ移動する。(審判員の移動・交代要領 第1図→第2図)
団体試合の場合、整列し、主審の号令により団体相互の礼の後、定位置に移動する。(審判員の移動・交代要領 第1図→第2図)
審判員の旗は、移動する場合、両旗を右手に持つ。定位置に移動後は、主審は赤旗を(③ )手、白旗を(④ )手に持つ。副審はその逆に持つ。交代する場合は、白旗を中に赤旗を外にして両旗を巻く。
(審判員の交替)
3 審判員の交替要領は、❶主審と副審の移動交替の場合、各審判員は両旗を(① )、定位置に移動し交替する。(審判員の移動・交代要領 第3図)
❷その場での審判員の交替の場合、各審判員は両旗を巻き、次の審判員と(② )をし、交替する。(審判員の移動・交代要領 第4図)
❸移動しての1名の交替の場合、各審判員は、定位置に移動し、(③ )を終えた審判員は両旗を巻き、次の審判員と② )をし交替する。(審判員の移動・交代要領 第5図)
❹終了した審判員の交替は、両旗を巻き、整列し次の審判員と交替する。(審判員の移動・交代要領 第6図)
※3人が一緒に交替する❹の場合は、原則として終わった主審が「礼」の号令をかけ、次の審判員と一緒に礼を行い、退場・交替する。個人試合で、審判員3人が試合場に入り、整列したときに正面への礼を行ってから、定位置に移動する。また、終了したときも整列後正面への礼を行ってから、退場する。
(正面への礼)
4 試合者および審判員は、「第1試合の開始時および(① )の開始時と終了時」、「試合が2日以上にわたる場合、第1試合の開始時と(② )の試合の終了時および決勝戦の開始時と終了時」に、主審の号令により正面への礼を行う。
主審は、個人試合の場合、「審判員が(③ )、試合者が立礼の位置についた直後」に、団体試合の場合、「審判員および試合者が整列した直後」に、正面への礼の号令を行う。
※個人試合で、主審が試合者に対し正面への礼の号令をかけた場合は、副審は正面に向きをかえ、試合者とともに礼を行う。団体試合での開始時と終了時での正面と相互の礼をする場合は、開始時は初めに正面への礼、その後相互の礼とし、終了時は初めに相互の礼、その後正面への礼とする。
※団体試合で正面および相互の礼をする時には、審判員も礼をする。「平成19年4月1日中央講習会」
(開始)
5 試合者は、試合を開始する場合、立礼の位置に進み、提げ刀の姿勢で相互の礼を行い、帯刀し、3歩進んで開始線で竹刀を抜き合わせつつ、そんきょ(蹲踞)し、主審の宣告で試合を開始する。
審判長は、第1試合開始の時、1試合場の場合は、最初の試合者が立礼の位置に立ったとき、(① )する。
2試合場以上の場合は、最初の試合者が立礼の位置に立ち、全体が揃ったとき、(① )し笛などで合図する。
主審は、第1試合開始の場合、審判長の合図の後、試合開始の宣告を行う。(旗の表示要領 第1図)
(有効打突)
6 試合者は、主審の有効打突の宣告があった場合、直ちに試合を中止し、開始線に戻り相中段に構え、主審の宣告を受ける。
審判員の旗の表示は、❶有効打突が決定した場合、審判員は旗を表示したまま定位置に戻り、主審の宣告で旗を下ろす。(旗の表示要領 第2図・第4図)
❷有効打突が決定しない場合、審判員は直ちに旗の表示を止める。
❸有効打突を認めない旗の表示をした場合、他の審判員がその表示を確認した後、旗を(① )ことを止める。(旗の表示要領 第3図→第1図)
❹主審が有効打突を認めない表示、または棄権の表示をし、有効打突が決定した場合、主審は、有効の表示を行う。(旗の表示要領 第3図・第4図→第2図)
有効打突を取り消す場合、主審は(② )開始前の旗の表示に戻り、(③ )して両旗を左右に振る。(旗の表示要領 第2図→第3図)
(中止の要請)
7 試合者は、試合の中止を要請する場合、(① )、かつ主審に向かって発声し、直ちにその(② )を主審に申し述べる。
試合者は、着装の乱れを直すときは、開始線で(③ )まま納刀し、境界線の内側まで後退し、そんきょ(蹲踞)もしくは正座して速やかに行う。
試合者より試合中止の要請があった場合、主審は直ちに試合を中止し、中止要請の(② )を質す。中止要請が不当と審判員が判断した場合、合議を行う。
(中止)
8 試合者は審判員の「止め」の宣告があった場合、直ちに試合を中止し、開始線に戻り、主審の宣告または指示を受ける。
審判員の中止宣告は、「(① )の事実」、「負傷や事故」、「(② )防止」、「竹刀操作不能の状態」、「(③ )の申し立て」、「合議」の場合に行う。
※弦が上になっていない場合や時間の空費で、「止め」の宣告は主審のみができる。
審判員は、中止の宣告があった場合、定位置に戻る。試合者双方が中止宣告または旗の表示を(④ )したとき、審判員は旗を下ろす。(旗の表示要領 第6図→第1図)
反則が認められた場合、審判員は旗を(⑤ )したまま定位置に戻り、主審の宣告で旗の(⑤ )を止める。
副審が中止の宣告をした場合、主審は直ちに試合(⑥ )の宣告と同時に旗の表示を行う。(旗の表示要領 第6図→第1図)
一方の試合者が竹刀を落とした場合または倒れた場合に、相手が直ちに(⑦ )しないとき、主審は試合を中止する。(旗の表示要領 第6図→第1図)
反則と認めた場合、主審は一方の旗を片方の手に持ち替え、反則者側に「反則〇回」と指で示しながら宣告し、基本姿勢に戻る。(旗の表示要領 第9図→第1図)
双方の試合者が同時反則を犯し、白(赤)に1本が与えられる場合、主審は白・赤(赤・白)の順で宣告を行う。(旗の表示要領 第10図→第1図)
(合議)
9 試合者は主審が合議の宣告をした場合、開始線で立ったまま納刀し、境界線の内側まで後退し、そんきょ(蹲踞)もしくは正座で待機する。
審判員は、「(① )の取り消し」、「審判員の(② )」、「反則の事実が(③ )な場合」、「規則の運用および実施の疑義」がある場合に合議を行う。
審判員が合議を行う場合、主審は、試合者双方を境界線の内側まで後退させる。
副審が合議を要請する場合、副審が「止め」の宣告後、直ちに主審が「止め」の宣告をし試合を中止する。その後副審が「合議」の宣告をし、直ちに主審が「合議」の宣告をする。
(再開)
10試合者は、中止後に試合を再開する場合、開始線で立ったまま相中段に構え、主審の宣告により試合を再開する。
「2本目」または「勝負」の場合、副審は、主審の宣告と同時に、表示した旗を下ろす。(旗の表示要領 第2図→第1図)
試合中止後に再開する場合、主審は、試合開始の要領で行う。(旗の表示要領 第1図)
(分かれ)
11試合者は、主審の「分かれ」の宣告があった場合、直ちに間合をとり、相中段に構え、主審の宣告で試合を継続する。
つば(鍔)競り合いがこうちゃく(膠着)した場合、主審は「分かれ」の宣告と同時に「両旗を前方に出し」、両者を分け、その場で、「始め」の宣告と同時に両旗を下ろし試合を継続する。(旗の表示要領 第7図→第1図) なお、一方の試合者が境界線を背にしている場合、主審は迅速に両者の位置を調整する。
※境界線付近で「分かれ」を宣告したとき、故意に場外に出たり、優位な位置に移動するなど、試合者が不当な行為で移動したときは、反則とする。「分かれ」を宣告したとき、試合者が自分の竹刀の刃部を握ったときは反則とする。分かれさせるときは、直ちに打突できない間合をとらせる。
(異議の申し立て)
12監督が異議の申し立てをした場合、試合者は「合議」の場合の要領で待機する。
異議の申し立てがあった場合、「❶審判員は、直ちに試合を中止する」、「❷審判主任または審判長は、審判員に疑義の内容を合議させる」、「❸審判主任または審判長は、その結果を監督に伝える」、「❹主審は、試合を再開する」という流れで処置する。
(判定・抽選勝ち・試合不能)
13試合者は、判定により勝敗を決する場合、開始線で相中段に構え、主審の宣告を受ける。抽選および試合不能により勝敗を決する場合も同様とする。
判定で勝敗を決する場合、審判員は、主審の「(① )」の宣告に合わせ、勝者と判断した側の旗を表示する。(旗の表示要領 第2図→第1図)
この場合、引き分けまたは(② )の表示はできない。
抽選および試合不能により勝敗の宣告をする場合、主審は勝者側に宣告と同時に表示した旗を下ろす。(旗の表示要領 第2図→第1図)
(不戦勝ち)
14試合者は、不戦勝ちで勝者の宣告を受ける場合、試合を行う要領で開始線に進み、立ち上がったところで主審の宣告を受け、そんきょ(蹲踞)して納刀し、元に戻る。
団体試合の不戦勝ちの場合は、全試合者は立礼の位置で主審の宣告を受ける。(団体試合の整列方法 第1図)
個人試合の場合、主審は勝者側に宣告と旗の表示を行う。(旗の表示要領 第2図)
団体試合の場合、主審は勝ちチームを整列させた後、宣告(①「 」)と同時に旗の表示を行う。(旗の表示要領 第2図)
(終了)
15試合者は、試合を終了する場合、開始線で相中段に構え、主審の宣告の後、そんきょ(蹲踞)して納刀し、立ち上がり帯刀姿勢で立礼の位置まで後退し、提げ刀の姿勢となり相互の礼を行う。
団体試合が終了した場合、両団体は立礼の位置に整列し、主審の号令で団体間の礼を行い退場する。この場合、最後の(① )は剣道具をつけ竹刀を持ち整列する。(団体試合の整列方法 第1図・第2図)
勝敗が決した場合または試合時間が終了した場合、主審は試合を中止し、試合者を開始線に戻した後、宣告と同時に旗の表示を行う。(旗の表示要領 第6図→第1図→第2図・第5図→第1図)
なお、延長の場合は、延長の宣告をし、試合を再開する。(旗の表示要領 第1図)
団体試合を終了する場合、審判員は整列し、主審の号令で団体間の礼を行わせる。(団体試合の整列方法 第1図)
(その他の要領)
16試合者が二刀を使用する場合は、小刀および大刀を共に提げ刀する。構えるときは、最初に右手で左手に持つ竹刀を抜いて左手に持ち替え、次に右手に持つ竹刀を構える。
納めるときは、最初に右手に持った竹刀を納め、次に左手に持った竹刀を右手に持ち替え、納める。その他は一刀の場合の要領に準じて行う。
※小刀での打突が有効打突となるには、大刀で相手を制している場合で、打った方の肘がよく伸び、十分な打ちで条件を満たしていることを必要条件とする。ただし、つば競り合いでの小刀の打突は原則として有効としない。竹刀が破損し、代えの竹刀がなければ試合不能者として負け(途中から一刀にすることは認めない。相手に2本、延長なら1本)とする。二刀のつば競り合いは、小刀を下にし、大刀を上にして、二刀を交差する形で指導する。
試合者の服装は清潔で、綻(ほころ)びや破れのないものとする。
剣道具は試合中、乱れないように堅固に着装する。なお、面紐の長さは結び目から(① )センチメートル以下とする。
試合者は試合場内では相互の礼のみとし、審判員に対する礼や相互の個人的な座礼などは行わない。
試合者が交替する際、胴づき、握手などの行為をしてはならない。
試合者は審判員が移動して定位置につくまで(② )はならない。
次の試合者は、前の試合者が試合場内から出るまでは試合場内に入ってはならない。
監督・試合者は選手席への(③ )の持ち込み、サインなどによる指示や試合者への(④ )をしてはならない。
先鋒戦および最後の試合者の対戦の場合、控えの試合者は(⑤ )することが望ましい。
(⑥ )は、試合開始前、試合者の服装(剣道着・袴・目印・名札)の適否を確認する。
(⑥ )は、試合者の用具(剣道具・竹刀・鍔(つば))の適否を確認する。
(⑦ )は、試合者が不適切な礼法を行った場合、指導をする。
審判員は、試合者が試合終了後、選手席などで不適切な言動を行った場合もしくは行おうとした場合、厳正に指導する。
各係員は、円滑な任務が遂行できるよう、審判主任または審判長を中心に事前に緊密な連携を取り、迅速かつ正確な任務を遂行する。
掲示係は、審判旗の点検・確認をし、審判席に置く。「1会場(⑧ )組」
1 ①正面 ②主審 ③右手 2 ①先鋒・次鋒 ②3 ③右 ④左 3 ①巻かずに ②相互の礼 ③主審 4 ①決勝戦 ②最後 ③定位置 5 ①起立 6 ①振る ②合議 ③宣告 7 ①手を上げ ②理由 ③立った 8 ①反則 ②危険 ③異議 ④確認 ⑤表示 ⑥中止 ⑦打突 9 ①有効打突 ②錯誤 ③不明瞭 13 ①判定 ②棄権 14 ①勝負あり 15 ①試合者 16 ①40 ②試合場に入って ③時計 ④声援 ⑤正座 ⑥審判員 ⑦主審 ⑧6
(2014.11.2)