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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇道徳教育の見直し(6)…抜本的な改善と充実は教科化にある

 文科省有識者会議「道徳教育に関する懇談会」は、小中学校の「道徳の時間」を数値評価を行わない「特別な教科」に格上げし、検定教科書の使用を求める報告書を年内にも取りまとめる。その後文科省は、中央教育審議会の議論を経て早ければ平成27年度にも教科化する方針とのことである。

 道徳の時間は、各種の教育活動で行われた道徳教育を補充・深化・統合する時間とされているが、教科や総合的な学習の時間、特別活動、部活動といった教育活動で、どんな道徳教育が行われたか、教師(担任)は把握できないのだから、補充・深化・統合するような道徳が行われるはずがない。机上の空論もいいところである。こんなことが長年続いているのだから世の中が乱れるのも当然かもしれない。

 入学間もない高校生が、中学校の道徳で何を学んだかを覚えていなかったという高校の先生の調査が報じられたことがあったが、学ぶべきことを学ばないで、作り話のような資料で道徳的価値を追求する話し合い中心の道徳で得られるものはないのだろう。道徳の授業が好きで得意と語る教師に出会ったことがないが、教師が好きになれない、得意になれないもので成果を上げることなどできない。

 戦前の教育を受けた人の中には今でも修身で何を学んだかを語って聞かせる人がいる。道徳教育の間違いを正すためには、修身をはるかに凌ぐような教科書を早急に作り教科化を急ぐべきなのである。 (2013.11.18)