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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇旧足利市歌(2)…歌碑だけではもったいない

 郷土連帯、郷土愛を育むため市歌を教えることにしたのだが、足利の自然や文化遺産、市歌制定当時の繁栄の様子など、難しい歌詞にもかかわらず新鮮だったのだろう。そして、歌いやすく生徒にも好評だった。

 平成22年度の卒業式で市歌を斉唱したが、市民が歌う機会はほとんどなく、まして全生徒の斉唱は初めてなので、「市歌がこんなにいいものとは知らなかった」と感想を述べるなど、列席者にも好評だった。

 足利在住の二人の信濃育ちの方(ともに病院長夫人は、信濃の歌(長野県歌「信濃の国」)を絶賛し、今でも歌えると話された。後日CDを贈ってくださったが、このような歌に幼い頃から接していたら、郷土への強い愛着、郷愁を覚える人間が間違いなく育っていくように思えた。

 23年4月、新市歌が制定されたので卒業式や入学式などに歌われることはないだろうが、登下校時などに流れれば旧市歌が信濃の歌のような存在になるかもしれない。旧市歌として歌碑に残すだけではもったいない歌である。  (2013.5.31)

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   長野県歌信濃の国

1.信濃の国は十州に 境連ぬる国にして
   聳(そび)ゆる山はいや高く 流るる川はいや遠し
   松本伊那佐久善光寺 四つの平は肥沃の地
   海こそなけれ物さわに 万(よろ)ず足らわぬ事ぞなき

2.四方(よも)に聳ゆる山々は 御嶽(おんたけ)乗鞍(のりくら)(こま)ケ岳(たけ)
 浅間は殊(こと)に活火山 いずれも国の鎮めなり
 流れ淀まずゆく水は 北に犀(さい)川千曲(ちくま)
 南に木曽川天竜川 これまた国の固めなり

3.木曽の谷には真木(まき)茂り 諏訪の湖(うみ)には魚(うお)多し
 民のかせぎも豊かにて 五穀の実らぬ里やある
 しかのみならず桑とりて 蚕飼(こが)いの業(わざ)の打ちひらけ
 細きよすがも軽からぬ 国の命を繋(つな)ぐなり

4.尋ねまほしき園原(そのはら)や 旅のやどりの寝覚(ねざめ)の床
   木曽の棧(かけはし)かけし世も 心してゆけ久米路橋(くめじばし)
   くる人多き筑摩(つかま)の湯 月の名にたつ姨捨(おばすてやま)
   しるき名所と風雅士(みやびお)が 詩歌に詠(よみ)てぞ伝えたる

5.旭(あさひ)将軍義仲(よしなか)も 仁科(にしな)の五郎信盛(のぶもり)
 春台(しゆんだい)太宰(だざい)先生も 象山(ぞうざん)佐久間(さくま)先生も
 皆此国の人にして 文武の誉(ほまれ)たぐいなく
 山と聳えて世に仰ぎ 川と流れて名は尽きず

6.吾妻(あずま)はやとし日本武(やまとたけ) 嘆き給いし碓氷山(うすいやま)
 穿(うが)つ隧道(トンネル)二十六 夢にもこゆる汽車の道
 みち一筋に学びなば 昔の人にや劣るべき
 古来山河の秀(ひい)でたる 国は偉人のある習い