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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇宿題の出し過ぎは逆効果

 20年程前のことだが、ある生徒(成績は普通)が、「夏休みなんかない方がいい」とつぶやいた。どうしてなのか聞いてみると、夏休みには宿題がいっぱい出てものすごく大変だからということだった。宿題の多さに不満をもらした生徒がいるにはいたが、そこまで言った生徒はいなかった。

 宿題については、長い休みなので多くなっても仕方がないと思っていたし、何と言っても夏休みを楽しみにしている生徒は多いので気にも留めなかったのだが、検討する必要性を感じたのである。

 各教科からの宿題はそれぞれの教科の打ち合わせで検討されるが、出揃った宿題の量などをみんなで検討する体制はそれまでなかったのである。夏休みまでにまだ間があるので、生徒指導主事として各学年で検討するよう提案したのだった。

 各教科から出される量はそれ程でなくても合わせたら相当な量になる。いろいろやりたいことがある楽しみな夏休みを、苦痛の休みにさせてはならないという思いを職員は共有した。夏休みの宿題は最小限に抑えられたのである。学習内容の理解と定着、家庭での学習習慣の育成、学習意欲の向上などが目的だが、出し過ぎは逆効果である。

 中学校の宿題は親などの手助けをあまり必要としないが、小学校の場合は親の手助けが必要なものも多いだろう。親が忙しくて面倒を見てもらえず、宿題が終わらなかった子どもは休業明けに元気に登校できるのだろうか。 (2013.5.27)