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本来の姿を取り戻す

「みんなの心に輝く学校をめざして」取り組んだ学校経営、「生き生きとした学校生活のために」取り組んだ生徒指導で感じた課題の解消を念頭に置いて教育問題などを考えます。

◇道徳教育の見直し(3)…作り話と決別する

 平成21年度、全学級が論語素読をしたが、生徒に好評でとてもいい体験だったと思う。習っていない漢字がたくさん出てきて難しすぎないかとの声もあるが、江戸時代には、寺子屋の中心的な学習として論語を習っていたのだから現代でも大丈夫と考えていた。

 山谷えり子参議院議員(元首相補佐官の故郷は幕末の志士、橋本左内が育った土地柄福井県だけあり、小学校時代に左内が15歳の時に誓った5つの誓いを習ったのだそうだ。「一つ、稚心を去る。一つ、気を振(ふる)う。一つ、志を立つ。一つ、学に勉む。一つ、交友を択(えら)ぶ」
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 消えた偉人物語産経新聞で、この誓いの意味を、貝塚茂樹武蔵野大学教授は次のように説明した。『子供っぽい甘えや怠惰な心を捨て去る。勇気や気概を奮い起こす。自分の進む道を自分で定め、一度決めたら決して迷わない。先人の立派な行いに倣って、学問や修養に励む。本当に有益な友をえらんで、交際を深める。』
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というもので、心が清められ高められる思いがしたと語っている。今も「左内の15の誓い」が教えられているということである。ならば足利では、郷土の誇り、足利学校が祀る孔子の教えを学ばせたいと改めて意識させられたのだった。今後も素読の声が校舎内に響き渡る学校にしていきたいものである。

 道徳では、作り話のような資料で話し合い道徳的価値を追求していくような授業が多いと感じている。道徳の時間は道徳的価値を補充、深化、統合する時間とされているが、道徳的な価値を統合するような授業は作り話でなくても難しいと思う。教師も生徒も道徳の時間が好きになるには先ずは作り話のような資料と決別することが大切だろう。

 どうしてこんなことが、と思える悲惨な事件が頻繁に発生する現状は、昭和33年からやっている道徳で生き方を学べていないからと感じている。道徳の時間は道理を学ぶとともに、人柄や品性を高めていける時間でなければならない。 (2012.12.9)