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本来の姿を取り戻す

みんなの心に輝く学校を目指し、中学校長として取り組んだ学校経営や教育課題などについての考えを述べます。

◇日本人は無規範ではない

   「あなたの宗教は」と問われれば、日本人の多くが無宗教と答えるのではないかと思う。そう答えても、日本人は違和感をもたないのだが、キリスト教徒やイスラム教徒のように、宗教が生きる規範となっている外国人には理解できないことのようだ。無宗教=無規範、即ち野蛮人との認識なので、無宗教の人間は信用できないし、そんなことでは「どうやって子どもを育てるのか」といった疑問も投げかけられることだろう。

   新渡戸稲造は、1889年、アメリカで「武士道」という本を出版した。この本は英語で書かれたが、いろいろな国の言葉に翻訳され、日本でも出版された。アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトは、一晩で一気に読み、そして、感動した彼は多くの知り合いにこの本を配ったのだそうだ。

 新渡戸がこの本を書いた動機は、ベルギーの法学者から、「君の国では、学校で宗教の教育をしないというが、何で君のような立派な人間ができるのだ」と聞かれたり、妻のマリーさんからは、「あなたのような立派な人が、日本という国で育ったのは何故なのか」と再三聞かれたりしたことだった。この本は、武士道が単に武士のみの規範ではなく、長い年月をかけて日本人の規範となっていることを知らしめたのだった。

 節義、勇気、礼儀、誠実、名誉、品性、克己等、新渡戸が武士道の本質として述べたことは、現代でも多くの日本人の規範となっていることだろう。今まで世界で最も犯罪の少ない国、秩序ある社会を形成していたのはその証と思うが、昨今、この規範意識が薄れてきていると危惧する声が多くなっている。武士道精神が、この国から消滅することのないようにしたいものである。